転属に驚くも上司の励ましで楽しみに

原田佳奈さん。商品サービス開発部で国際線の機内食企画を担当

――地上職勤務が決まったと聞かされたとき、率直な気持ちはいかがでしたか。

私は大阪ベースのJALのCAとして入社し、10年7月に東京(成田)ベースに転勤になったのですが、その成田での勤務でさえ一年あまりしか経っていない頃に上司から、「今月か来月がラスト・フライトになるから」と告げられて、もうびっくり(笑)。「どういう意味ですか?」って聞いたら、「天王洲に行ってもらうから」って。

天王洲(東京都内)にはJALの本社があり、そこで機内食の企画の仕事をすると聞かされたのです。でも、本社には入社前の最終面接で一度行っただけでしたし、仕事の内容もまったく分かりません。ですから、最初は驚きと不安でいっぱいでした。ところが、上司が「業務に集中できる良い環境でこれまでCAで培ってきた経験が活かされる仕事でもあるから」と励ましてくださって、実際に地上職に就く前には逆に楽しみになっていたくらいでした。2年すれば戻れるという安心感も大きかったですね。

――他の皆さんもそうですが、急に上司の方に転属の話を聞かされるようですね。それでも、そうやって周囲の方がケアしてくだされば安心して地上職に就けますよね。実際に機内食の企画を担当されていかがですか。

もう最初は驚くことばかりで。機内食にこんなに厳しい制限があるとはまったく知りませんでした。JALは有名なシェフに考案していただいたメニューを搭載しているのですが、たとえばそういう方に「火は緩めに通すだけでいい」と言われても、食材によっては衛生上の理由できっちり火を入れなければならないなど様々な制限があります。そして、それをシェフの方に伝えながら、美味しい料理を考えていただかないといけないわけです。

提案した食材が好評を博す

――そういう知識があるとCAに戻ってからでも役に立ちそうですね。

メニューが変わったときにはCAが直接お客様にアンケートをお願いするのですが、この仕事に就く前までは、何も考えずそのままシェフに伝えていました。ときには、失礼にあたるようなことも書いていたんだと今では分かるようになりました。CAに戻ったら、以前と同じようには書かないと思います(笑)。

――制限が多い中で開発を担当したメニューが好評だと嬉しいでしょうね。

高級ディナーを立ち飲みスタイルで提供する人気のレストラン「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」。それらの能勢・山浦両シェフとコラボレーションしたメニュー「俺の機内食 for Resort」をハワイ線で提供しているのですが、当初シェフから提案されたアナゴは小骨が多く機内食に不向きだと分かり他の食材を提案し、最終的に完成した機内食がすごく好評でした。