ネコ科であるトラには大きく立派な肉球がある。トラと聞いて想像する一般的な黄色いトラ(ベンガルトラ)の肉球は基本的に黒いという。では、ホワイトタイガーの肉球は何色なのだろうか? 

ホワイトタイガーのこと、どのくらい知ってる?

やって来たのは埼玉県にある東武動物公園。ここでは現在6頭のホワイトタイガーを飼育している。もともといたロッキー(♂)とカーラ(♀)が昨年3月に4頭の子どもを産んだのだという。

ロッキーを間近で見ると、かなりの迫力。ところでよくよく考えてみると、ホワイトタイガーという名前と見た目は知っていても、それ以外のことについてはほとんど知らない人も多いのではないだろうか。

ホワイトタイガーの正式名称は「ベンガルトラの白変種(はくへんしゅ)」という。先天的にメラニンが欠乏したいわゆる「アルビノ」とは違うが、突然変異によって生まれるのは共通している。体の縞模様は黒や茶色、あるいは模様がなく全身真っ白な個体が存在するとのこと。

その肉球は何色なのか確かめようとするが、これがなかなか難しい。基本的に地面についているので、歩いているときに足をあげる瞬間を覗き込むがよく見えない。

チラッと見えた肉球は……、

ピンク色? しかし地面についている部分はどうだろう?

落ち着いてしまう……。

お昼寝の時間なのか、大あくび。

寝てしまう。しかしこれは逆にチャンスかもしれない。

別の場所に移動して見てみると、そこからはあらわになった肉球が!

やはり足の裏もピンク色だった。が、ロッキーがたまたまピンクなだけかもしれない。個体差はないのだろうか。そのあたりを飼育係の方に伺ってみた。

「若干個体差はありますが、概ねピンク色です。肉球よりも目の方が個体差があって、ブルーアイは同じなんですが、黒目の部分がブルーだったり、黒目の外側がブルーだったり、白目の部分がブルーだったり、いろいろな個体がいるんですよ」(飼育係さん)

ホワイトタイガー豆知識

ちなみに、ベンガルトラとホワイトタイガー(ベンガルトラの白変種)の違いは、色だけ。その他はまったく同じとのこと。従って交配も可能だという。

「正確なところはわからないのですが、その昔、一頭の白い虎が捕獲されて、それを普通の黄色い虎とかけ合わせて少しずつ増やしてきたのが、今世界に存在するホワイトタイガーです。ですから、自然界(野生)には存在しないんです」(飼育係さん)

黄色い虎と白い虎の間には、黄色が多い個体や、白が多い個体が生まれる。長い時間をかけてなるべく白い個体と白い個体をかけ合わせることで、ホワイトタイガーを増やしてきたのだという。しかし、現在では黄色い個体と白い個体をかけ合わせることは世界的に禁止されているらしい。

「そうすると当然血が濃くなっていきますから、近い将来ホワイトタイガーは地球上からいなくなる可能性が高いです。それが50年後か100年後なのかはわかりませんが」(飼育係さん)

ちなみに、ロッキーはカナダで人工保育されて育ったため人間が大好きで、この日も担当の飼育係さんの姿を見るなり駆け寄ってきた。精悍な顔つきとは裏腹に、かなり人懐っこい。

(写真提供:(C)東武動物公園)

現在全世界にいるホワイトタイガーは約250頭。そのうち35頭が日本にいる。ホワイトタイガーに興味が湧いた人は、この機会にぜひ一度足を運んでみては? 

(写真提供:(C)東武動物公園)

東武動物公園では、昨年生まれたオスのアクアを他の動物園へ送り出すイベント「Good luck!! ☆Aqua☆」を10月18日に開催予定とのこと。詳しくは公式サイトでご確認を。

(写真提供:(C)東武動物公園)

基本情報

東武動物公園
アクセス:東武スカイツリーライン(伊勢崎線・東武動物公園駅から徒歩10分)
住所:埼玉県南埼玉郡宮代町大字須賀110