東京都福祉保健局は9月26日、東京都・代々木公園における蚊の病原体保有調査の結果、デング熱の原因となるデングウイルスを保有している蚊が確認されなかったことを明らかにした。9月4日にデングウイルスを保有している蚊の存在が確認されて以降、同公園内での同調査でデングウイルスを保有している蚊が見つからなかったのは、今回が初めてとなる。

9月16日から17日にかけての採集調査では、マップ上にある地点番号の「2」「9」「15」でデングウイルスを保有している蚊が見つかっていた(東京都福祉保健局提供)

9月26日時点で、国内で147人の患者が確認されているデング熱は、デングウイルスを原因とする急性の熱性感染症で、蚊を媒介とする。蚊がデングウイルスに感染した人の血を吸い、体内で増殖させた後に別の人間を吸血することで、デング熱の感染者が増えていく。主な症状として、発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などがある。

当初より、代々木公園ないしは同公園周辺を訪れていた人にデングウイルス感染が確認されていたことを受け、東京都は同公園の蚊の採集を実施。デングウイルスを保有している蚊「ヒトスジシマカ」が9月4日に確認されたこともあり、現在、東京都は同公園の一部地区を閉鎖させている。東京都は継続的に同公園での蚊のデングウイルス保有調査を続ける意向を示していた。

東京都福祉保健局によると、今回、9月24日から25日にかけて同公園内の複数地点で蚊を採集して調査した結果、デングウイルスが検出された蚊は見つからなかったという。

9月3日の調査によって、同公園内の4カ所でデングウイルス保有の蚊が確認されて以来、次の調査(9月9日~10日)で4カ所、さらに次の調査(9月16日~17日)で3カ所から同様の蚊が見つかっており、今回の調査で0カ所となった。

同公園内で採集できた蚊の数も、9月16日~17日の調査時は191匹だったのに対し、直近の調査では41匹と少なくなっている。

なお、都は引き続き蚊のデングウイルス保有調査を実施していく方針。