感染確認から約1カ月たっても、デング熱患者は増え続けている(写真と本文は関係ありません)

厚生労働省は9月22日、国内で142人目のデング熱感染者を確認したことを明らかにした。8月27日に国内で約70年ぶりに感染が確認されてからおよそ1カ月。感染者が今なお増え続けているため、感染したと考えられている場所とデングウイルスを保有している蚊が確認された場所をまとめた。

デング熱に感染すると、発熱や頭痛、筋肉痛、皮膚の発疹などの症状が伴うとされている。蚊が媒介となり、デング熱の原因となるデングウイルスに感染した人の血を吸い、体内で増殖させた後に別の人間を吸血することで、デング熱の感染者が増えていく。

感染したと考えられている場所

厚生労働省によると、9月22日の時点で患者がデング熱に感染したと考えられる地域は

・代々木公園周辺

・新宿中央公園

・神宮外苑

・外濠公園

・千葉県千葉市

・都立青山公園

・東京都台東区

などがある。このうち、東京都・代々木公園周辺での感染と考えられる患者が120人超と圧倒的に多い。その他にも、9月18日に発表された静岡県在住の20代男性のように、感染したと考えられる地域が「不明」とされている患者も数人いる。

デングウイルスを保有している蚊が確認されている場所

・代々木公園

・新宿御苑

代々木公園では9月4日に、新宿御苑では9月19日にそれぞれデングウイルスを保有した蚊が確認されている。

採集調査の結果、代々木公園ではデングウイルスを保有した蚊「ヒトスジシマカ」が継続的に確認されている。東京都福祉保健局は9月18日、同公園内の20カ所のうち3カ所で採集した蚊よりデングウイルスを検出したことを発表している。

代々木公園では、9月18日の時点でマップ上にある地点番号の「2」「9」「15」でデングウイルスを保有している蚊が見つかっている。9月11日の時点では、「6」「13」「18」「19」の場所でデングウイルスを保有している蚊が見つかっている(東京都福祉保健局提供)

代々木公園からほど近い新宿御苑は、9月7日より臨時閉園を行い蚊の採集調査を実施していた。その結果、代々木公園に続いて2例目となるデングウイルス保有の蚊が確認された。新宿御苑は、今後も園内の蚊の駆除などを実施していきながら蚊の採集調査を続けていく方針。そのため、「園内の安全が確保されるまでの間、引き続き『閉園』とさせていただきます」としている。

なお、厚生労働省は、国内で感染が拡大していることなどを受け、ホームページで「デング熱国内感染事例発生時の対応・対策の手引き」を公表。自治体や個人がデング熱の感染を防ぐためにとれる対策などをまとめている。