日本気象協会が運営する天気予報専門サイト「tenki.jp」はこのほど、台風ができる仕組みや発生が多い時期などを明らかにした。

台風ができる仕組み

台風は、一年中暑い熱帯地方である北緯5度から20度くらいの海上でもっとも多く発生している。このあたりの海は他の場所と比べて海水の温度も高く雲が多いので、台風が渦を巻く力があるためだ。

台風は最初、熱帯の海上に空気の渦ができることから始まる。渦の中心に向かって多く水蒸気を含んだ空気がまわりから流れ込み、上昇気流が発生。その上昇気流により雲が作られ、積乱雲に発達する。また、多くの熱を放出するためにまわりの空気が暖められ、さらに上昇気流が強力になる。

これを繰り返すうちに、最初は小さな空気の渦が大きな渦に成長し、熱帯低気圧になる。熱帯低気圧がさらに発達し、最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s以上になると、「台風」になる。

台風の時期というと、7月~9月をイメージする人が多いかと思うが、熱帯の海の上では季節を問わず、台風は1年中発生しているという。夏のイメージが強いのは、気温が高くなると台風が発生する緯度も高くなり、北上して日本に近づく台風が多くなるためだ。

台風の進路

また、台風の進路は上空の風の状態や、太平洋高気圧の勢力の強さによっても変わる。7月や8月は太平洋高気圧の勢力が強く、台風を流す上空の風がまだ弱いために不安定な経路をとることが多い。

しかし、9月以降になると南海上から放物線を描くように日本付近を通るように進む。そのため、日本に大きな災害をもたらす台風の多くは9月に襲来している。