明治安田生活福祉研究所は8月29日、「出産と子育て」に関する調査結果を発表した。調査期間は2014年3月21日~24日、全国の20歳~49歳の男女3,616人を対象にWEBアンケートで実施された。

およそ8割が妊娠・出産を機に退職

「妊娠・出産後の仕事の継続状況」

妊娠・出産時に、契約社員・派遣社員・パート等だった20代~40代の女性を対象に、妊娠・出産時に仕事をどうしたのか尋ねたところ「仕事を辞めた(妊娠を機に+出産を機に)」と回答した人が91.4%にものぼった。

また、妊娠・出産時に、正社員や公務員等だった人はというと、仕事を「継続した(育児休業後復帰+育児休業をとらずに継続)」人の割合は3割弱(27.0%)にとどまり、対して「仕事を辞めた」女性は72.9%と、ほぼ4人に3人が何らかの理由で仕事を辞めていたことが判明した。

「仕事を辞めた理由」

具体的に、なぜ仕事を辞めたのか教えてもらった結果、「もともと妊娠・出産を機にやめるつもりだった(37.6%)」が最も多かった。また、「家庭を大事にしたい(26.5%)」「子育てに専念したかった(17.7%)」「自分の体や胎児を大事にしたい(16.8%)」といった意見が並び、家庭や子育てを優先したいという意向の女性が多くいることがわかった。

一方で、「職場の出産・子育て支援制度が不十分だった(27.9%)」が2番目に多い理由として挙げられるなど、ほかにも「子育てをしながら仕事を続けるのは大変だった(16.8%)」「職場が仕事の継続を受け入れてくれる状況になかったから(15.9%)」といった意見が見られ、職場環境を理由に退職せざるを得なかった人も多数見受けられた。

ライフステージに合った理想の働き方とは

「理想の働き方と実際の働き方」

次に、女性のライフステージにおける理想の働き方について調査したところ、結婚から出産までは61.8%の人が「正社員」がいいと回答しているのに対し、実際「正社員」として働いていた女性は14.7%にとどまった。また、子どもが保育所・幼稚園の時期は「正社員(11.6%)」「短時間勤務(49.0%)」など、およそ6割が働くことを希望しているものの、実際に就労している人は半分の3割だった。

さらに、小学生の時期にいたっては「正社員(33.5%)」「短時間勤務(51.9%)」と、85.4%が働くことを理想としているのに対し、実際にはその半数以下の41.2%の就労率となり、理想と現実との間に大きなギャップがあることが明らかとなった。