カネボウ化粧品は26日、同社が製造・販売した美白化粧品で肌がまだらに白くなる「白斑」被害が起きている問題で、治療の長期化が想定される被害者を対象に、後遺症慰謝料相当の補償を支払うことを検討すると発表した。

同社は2013年7月の自主回収発表以降、白斑様症状を発症した被害者へ訪問活動を実施してきたが、被害者の中に回復の遅いケースや回復傾向が見られないケースがあったことから、補償内容の見直しを行ったという。

長期にわたって回復傾向が見られない被害者については、現在のところ、ロドデノール配合製品と白斑様症状発症の関係、回復可能性は完全に明らかになってはいないものの、裁判基準・労災基準に基づいて後遺症慰謝料相当の補償を支払うことを検討する。

同社はこれまで補償に関して、医療費および医療機関までの交通費を随時支払ってきたほか、精神的慰謝料、休業補償については回復時に支払う方針としてきた。また、治療の長期化が想定される被害者に対しては、2014年6月上旬から希望に応じて回復前の精神的慰謝料の一部支払いと、それまでの休業補償を清算すると発表していた。

同社は、今後も完治まで責任を持って対応するという基本方針の下、関係省庁や学会への情報提供、「化学物質(ロドデノール)による白斑研究基金」設立のための助成金の拠出などを通じ、治療法の確立のために全力をあげて取り組んでいくとしている。