話はさらに入江のすばらしさについてとなり、白倉プロデューサーが「こうやって話をしていても、いい奴だということがわかる。誰でもすぐ彼のファンになってしまうんです。女性はもちろんのこと、男も惚れる」と、入江にぞっこんの様子。そして、本作での演技の話に移り、井上プロデューサーが「画面を観てて惚れたと思ったのは、入江くんがロボットになりきっているシーン。まばたきをしないところとか、まばたきをするにしても何秒間に一回とか正確に、機械的にするところですよ。前に倒れても、目が微動だにしないところなんてのもよかった」と、入江氏の演技に最高得点をつけた。

白倉プロデューサーは「今年の2月に(関東地方で)大雪が積もった日が2度もあったでしょう。各撮影隊のスケジュールが押す中で、キカイダー組はふつうに撮影再開したんですけれど、駅から撮影所に向かって、まだたくさん雪が積もっている中を、入江くんが走りながらやってきたんです。スタッフを待たせないようにって。そういう入江くんの姿を見たとき、なんていい主役を迎えることができたんだと、幸せをかみしめましたね」と、入江氏の本作品にかける意気込みと真面目な人柄に太鼓判を押していた。

本日は、ジローの劇中衣装を着用していた入江は「(今日の)髪型は映画と違うんです。だからジローの衣装を着ていると、誰なんだコイツは? という感じになりそうです」と話していたが、これについて井上プロデューサーは、下山天監督の演出について言及。「下山監督は、ジローのロボットぶりを発揮するため、意識的に髪の毛を揺らさないように撮っているんです。ミツコやマサルの髪が風になびいても、ジローだけは絶対髪型を崩さない。ここは映画の必見ポイントです」と見どころを解説していた。

また、白倉プロデューサーは、入江が持っていたエレキギター(映画の中でジローが演奏する)を指し、「これ、弾くんですよね」とむちゃぶりするも、入江は「これエレキギターだから、アンプがないと弾いても聞こえませんよ」とやんわり拒否。しかし観客からリクエストの拍手が聞こえてきたこともあって、せめて弾いている真似だけでもと、ギターを抱えた姿でファンを沸かせた。ちなみに、劇中でジローが弾いているギターはすべて、入江が実際に演奏している。

今回を含めて4度目の鑑賞というファンからの「入江起用のきっかけ」という質問に対しては、白倉プロデューサーは「今の俳優でキカイダーを演じるのに誰が適任か、という話になったとき、真っ先に上がったのが入江くんの名前でした。やがて候補を絞り込んで、結果的に入江くんに決まるんですけれど、彼の演技を確認したのは決めた後だったんです。後からどんどん人間的魅力に傾倒していってね。だから最初から彼の人間的魅力に惚れ込みました! と記憶や事実を改ざんしていきたいくらいです」と、入江の起用に絶大なる自信をのぞかせている。

井上プロデューサーも同様で「私の場合、役に決まってから彼の出演する『ロスト・イン・ヨンカーズ』を観たんですが、とても芸達者な俳優さんに囲まれても、一歩もひかず堂々とした演技をしている。非常に素直な演技だと感じました。この人なら間違いない、とそのとき思いました」と、こちらもまた入江氏の起用に間違いがないことを強調した。

3度目の鑑賞に臨まんとする男性からの「続編は作るのですか」という質問に、入江は「僕はもうやらせてもらいたいです」と意欲を見せる。白倉プロデューサーは続編について「実は下山監督の中では、マリのスピンオフ、ビジンダーのスピンオフ、そしてワルダーのスピンオフなんていうよくわかんないのをはさみつつ、ハカイダー4人衆やマリ4人衆のスピンオフをやった後、キカイダーの続編に行く構想なんです」と、冗談めかして答え、「10年くらいは、キカイダーとその周辺の物語を作りたい。ファンの方々も、ぜひ長いつきあいをお願いしたい」と、やや真面目に締めくくった。

井上プロデューサーは『キカイダー REBOOT』を2回、3回観るリピーターがいることに感謝しながら「今日ご覧になって、面白いと思われたら、ぜひお友達の方々にもおすすめしてほしいです。私自身、本当にこの作品が好きで、これからもキカイダーと一緒にいたいと思っています。応援なにとぞよろしくお願いします」と、依然変わらぬ強いキカイダー愛を強調。

白倉プロデューサーもまた「作品には全身全霊をそそいでいるつもりですし、井上専務に負けないくらいこの作品が大好きです。落ち着いたら、もう一度こちらに足を運んで映画を鑑賞したいと思います。これからもよろしくお願いいたします」と作品にかける愛情をアピールしながら、最後には「そして入江甚儀の写真集もよろしくお願いいたします」と、入江に対する気配りも忘れず、観客の笑いを誘った。

最後のあいさつを求められた入江は「いろんな人のキカイダーに対しての愛情が積もってできている作品です。皆さんにももっともっと愛を注いでほしいです。そうすれば、きっと続編でみなさんとお会いできるチャンスがくるかもしれません。これからも『キカイダー REBOOT』を愛してください。僕たちも愛していきます!」と、作品そのものと作品を作ったスタッフへの感謝と深い愛情を実直に語っていた。

(C)石森プロ・東映