波除稲荷神社は6月6日~8日・10日、夏越し大祭「つきじ獅子祭」を開催する。

夏越し大祭「つきじ獅子祭」が開催 ※画像提供:波除稲荷神社

巨大な「天井大獅子」が街中に繰り出す

同祭は江戸初期、萬治2年のご創建の折に、波風をピタリとおさめた「波除」のご神徳のあらたかさに驚き奉納された、雲を従える「龍」、風を従える「虎」、一声で万物を威伏させる「獅子」の巨大な頭を担いで回ったのが、その始まりとされる。

獅子頭は、現在神社社殿に飾られる金梨地の一対を残し、ことごとく関東大震災で消失。その後、昭和2年に現在の宮神輿が完成し、長らく「獅子祭」の名前が残る神輿の祭りが続いたという。

平成2年に雄の「天井大獅子」が黒檜一木造りで高さ2.4メートル・幅3.3メートル・重さ1トンの白木の巨大な姿で再興。平成14年には、雌の大獅子「お歯黒獅子」が、木彫で高さ2.15メートル、幅2.5メートル・重さ700kg、担ぎ棒が組み入れられる台座に固定され、朱塗りの姿で再興された。

雌を表す頭の宝珠の中には、ご創建時に同じく奉られた弁財天のご神像を新調し納め、弁財天・お歯黒獅子として手水舎も組み込んだ社殿に納められた。この雌獅子はこの年から担がれ、女性だけの担ぎ手の区間が設けられ、築地名物として定着しつつあるという。

女性だけの担ぎ手の区間も設けられている ※画像提供:波除稲荷神社

平成21年に御鎮座350年を迎え、江戸時代以来途切れていた、町中の獅子頭が集まり雄雌の一対の大獅子と一緒に町を練り歩く「獅子祭」の復活を遂げた。また平成24年には大獅子の復興作業最後の締めくくりとして、江戸時代以来焼失していた龍虎の頭も復興し、神社創建以来初となる、神社千貫宮神輿雌雄一対の大獅子と宮神輿すべて担いでの御巡行を執行。現在では、江戸時代以来の獅子を担ぐ伝統と、昭和に新たにできた千貫宮神輿を加え、伝統と新しさを兼ね備えた江戸随一の祭りとなっている。

会期中は、神社宮神輿・弁財天お歯黒獅子御巡行が行われる。また、子供神輿連合渡御や、弁財天のご神像御開帳なども実施する。

会期は6月6日~8日・10日。会場は、波除稲荷神社(東京都中央区築地6-20-37)。御巡行順路など詳細は同祭特設ページを参照のこと。