公開初日を迎えた特撮映画『キカイダー REBOOT』初日舞台挨拶が24日、東京・新宿バルト9で開催され、主要キャストから入江甚儀、佐津川愛美、高橋メアリージュン、伴大介、鶴見辰吾、そして下山天監督が登壇した。

左から伴大介、佐津川愛美、入江甚儀、鶴見辰吾、高橋メアリージュン、下山天監督

映画初主演の入江は、「『キカイダー REBOOT』、面白かったですか?」の問いに大きな拍手が起こるとうれしそうににっこり。「この映画が自分の初主演だったことをうれしく思います。キャストとスタッフの愛が尋常じゃなく注ぎ込まれた作品です。父親は『キカイダー』が好きなので、いい親孝行ができたんじゃないかと思います」と感慨深げの様子だった。

キカイダーのライバルであるハカイダー役であることがこの日明かされた鶴見は「今まで言えないので大変でした。ここまですごい作品になるとは思いませんでした。僕は『キカイダー世代』なのでハカイダー役に決まった時、小躍りして喜びました。僕は悪役としての美学はハカイダーから学んだ部分があるんです」と、自身のルーツを述懐する。さらには、水木一郎の「ハカイダーの歌」をワンコーラス朗々と歌い上げ、「これぐらい好きだったんです」と笑うと、観客は拍手喝采。「自分にとっての原点を演じられて本当にうれしかった。機械を描いた作品で心を動かされるバランスがすばらしいと思います」と語る鶴見だった。

旧作でキカイダー/ジロー役を演じた伴は、本作で謎の心理学者として出演。伴は新作としての復活に、「こんなすごい作品になってびっくりしました。41年ぶりに石ノ森先生の名作『キカイダー』に光を当ててくれたことに感謝でいっぱいです。『キカイダー』は旅を続けています。これからも旅は続いていくと思いますので、これからも応援よろしくお願いします」と続編にも期待を寄せていた。

ヒロイン・光明寺ミツコ役の佐津川は「あまり心を表に出さない女の子なんですが、いろんなことに巻き込まれてリアクションしなければいけない役柄でもあるので大変でした。映像で見たらびっくりするぐらい笑わない子になってました」と役どころの苦労を吐露。アンドロイド・マリ役の高橋は「戦闘アンドロイドなので、正確なアクションをしないといけなくて、汗もかかず、まばたきもあまりしないようにしてるんです。キカイダーが目の前でアクションしているシーンでは最初は目をつぶってしまって……」と、アクションのみならずアンドロイドとしての演技の難しさを語っていた。

そして、下山監督は「僕も『キカイダー』世代なので、大人が見られる特撮を作りたかったんです。白倉プロデューサーが、日本の特撮物の歴史『キカイダー REBOOT』の以前と以後で特撮の歴史が変わると言ってくださったんです。もしそうなるとしたら、今日集まってくださった方は歴史の目撃者だと思います。石ノ森先生のヒーローを世界に送り出したいと思います。旧作世代の方はもちろん、ぜひ中高生にも見てもらいたいと思っています」と語っていた。

『キカイダー REBOOT』は、1972年~73年にテレビ朝日系で放送され、当時は同じく石ノ森章太郎氏原作の『仮面ライダー』と人気を二分するほどだった、特撮TVドラマ『人造人間キカイダー』のリメイク作品。脚本に二年を要し、デザインも一新されて41年ぶりにリメイクされる完全新作『キカイダー REBOOT』のテーマは愛。舞台は未来の日本で、人間では抗えない問題をロボットに解決させる「ARKプロジェクト」の中枢、世界的ロボット工学の権威・光明寺ノブヒコが、実験中に謎の事故死――暴走する「ARKプロジェクト」に、光明寺が残した主人公ジロー/キカイダーが戦いを挑んでいく。