これまで2作の連続ドラマが放送された人気シリーズ『闇金ウシジマくん』の劇場版第2弾が16日に公開を迎える。山田孝之演じる闇金・カウカウファイナンス社長の丑嶋馨を主人公とした物語で、欲望に突き動かさされた登場人物たちによる、駆け引きや裏切り、愛憎、救いが描かれる。カウカウファイナンス社員でナンバー2の柄崎役のやべきょうすけ、イケメンで元ホストの社員・高田役の崎本大海ほか、丑嶋の幼なじみで情報屋の戌亥(いぬい)役として綾野剛が出演するなど、脇を固める俳優陣も豪華。

1992年8月10日生まれ。東京都出身。身長160cm。2011年にデビュー。2013年、映画『スクールガール・コンプレックス』で初主演、東京ガスのCM「ガスの仮面」で話題となる。2014年3月公開の映画『愛の渦』では、ヒロインに抜擢される。現在、ドラマ『ブラック・プレジデント』(フジテレビ系)に出演中で、主演映画『シャンティ・デイズ 365日、幸せな呼吸』が2014年公開予定。
撮影:荒金大介(Sketch)

その中で、ホストの麗(窪田正孝)をナンバー1にするため金と欲におぼれ、体を売るまで転落してしまう高校中退のフリーター・藤枝彩香を演じるのが、映画『愛の渦』でヒロインに大抜てきされ、現在ドラマ『ブラック・プレジデント』(フジテレビ系 毎週火曜22:00~)に出演中の女優・門脇麦。「終わりなきクズへの制裁」というテーマのとおり、本作には数々の"クズ"が登場するが、中でも彩香は見る人を複雑な思いにさせる"切なさ"が漂う。本作を含め、過激な描写の作品に挑み続けている門脇にとって演じることとは。静かな語り口の中で、確かに熱いものを感じた。

――物語のメインとなる役どころでしたね。

結果的に堕ちていく役なんですが、普通のどこにでもいるピュアな女の子と思いましたし、そうなってしまっただけで。その根っこの部分は持ち続けてやろうと台本を読んだ時に思いました。希望の花じゃないですが、最後は見ている方ががんばりたくなるような気持ちになればいいなと思って演じていました。

――ホスト・神咲麗役の窪田正孝さんとのシーンが多かったと思いますが。

すてきな役者さんだなと思います。私は人見知りですし、普段はあまり積極的に話しかけたりする方ではないんですが、麗を好きになる役でしたし、自分から(心を)開こうという気持ちはありました。だから、たくさん自分から話しかけたりとか。何でもない日常の会話でしたけど、それをするとしないとでは全然変わってくると思うので。

――普段は受け身なんですか?

そうですね、基本的にそうだと思います。窪田さんは麗という役なのですが、演じているのは窪田さん。だから、麗に近づくためには窪田さんとの距離も縮めなければいけないなと思って。私は役作りというものがまだよく分からないんですが、ためらいなくカメラの前に立てることが役作りなのだとしたら、窪田さんとのコミュニケーションも役作りの一環になるのかなと思います。

――その方法はどのようなきっかけで見出したのでしょうか。

私はやっぱり嘘がつけないです。器用なタイプではないですし、技術もないので、常に100%の自分で勝負しないと駄目だと思っています。そうやって100%の自分でいるために、役についての下調べや相手役の方とのコミュニケーションもするようにしています。