JR東海は、今後実施する新幹線での異常時に備えた取組みについて発表した。駅中間での列車停止時を想定した避難誘導訓練を実施するほか、研修で用いる車掌訓練装置に、駅ホームでの異常発生を想定した機能を追加するという。

写真は東海道新幹線N700系

駅中間での避難誘導訓練は、5月29日23時30分から東海道新幹線熱海~三島間にて実施。地震により駅中間で列車が停止し、その後の現地点検で復旧に相当な時間を要することが判明したとの想定で、東海道新幹線の駅係員・乗務員に加え、沿線の施設・電気関係の現業機関社員など、JR東海の社員約110名が参加する。

列車からはしごを用いて乗客を線路上に降車させる訓練、線路上を歩いて一般道路まで誘導する訓練、手配したバスで乗客を最寄り駅まで送り届ける訓練を行う。訓練時間は約2時間の予定。

「車掌訓練装置」とは、列車発着時の安全確認動作の訓練などに使用される列車を模した装置。今後は新たに、駅ホーム係員がホーム上の安全を監視するための「列車監視モニタ」、乗客の乗降終了を駅ホーム係員から車掌に知らせる「乗降終了スイッチ」、可動柵の開閉操作を行う操作盤などの設備を新設。駆け込み乗車、ホーム上の利用者の列車への接近や転落、非常停止ボタン動作、可動柵故障といったホーム上で生じるさまざまな異常時に備えた実践的な訓練を行うとのこと。車掌と駅係員が同時に訓練に参加することも可能で、相互の連携が確認できるようになるという。

今年12月以降、東京・名古屋・大阪各地区の運輸所と総合研修センターの計4か所に順次導入。来年3月までには設置を完了する。