名古屋鉄道と公益財団法人明治村は、札幌市交通局が所有している「旧・名古屋電気鉄道第1号形電車(略称:名電1号形)」を期間限定で借り受け、6月28日から博物館明治村にて展示する。

修理を行う前の「名電1号形」

名電1号形は、1901(明治34)年に名古屋で製造された26人乗りの車両。名古屋電気鉄道が1907(明治40)年まで使用した後、札幌電気軌道が購入。1918(大正7)年に札幌初の路面電車「29号」として運行を開始した。その後、札幌市に移され、1927(昭和2)年から1936(昭和11)年頃まで市電車両として使用された。

廃車後、一時期は札幌市円山動物園内で展示されたが、後に札幌市交通局に復帰。「22号」に改番され、イベントなどで数回運行された。現在は札幌市内の札幌市交通資料館にて静態保存されている。

名電1号形の借受けは、明治村開村50周年記念事業の第1弾として実施。すでに昨年11月、札幌市からフェリーと陸路による輸送を行い、現在は大阪市の工場で修理中だという。明治村への輸送は6月上旬頃になる見込みで、6月28日からは明治村内に建設した展示室内にて静態展示を行う。展示期間は2020年3月までの予定で、その後、札幌市へ返却する。