和歌山ラーメンと並んで「京都ラーメン」というものがひとつのジャンルとして確立しているぐらい、京都ではラーメンが人気だ。ところで京都ラーメンの定義というのがなかなか難しいのだが、ひとつには濃厚こってり系が中心となっているという特徴がある。その代表として、全国展開している「天下一品」が挙げられる。

全国展開している「天下一品」本店のこってりラーメン(680円)

その「天下一品」総本店もある京都市一乗寺界隈の中でも、とりわけ、叡山鉄道一乗寺駅の西側を走る東大路通は"ラーメンストリート"や"ラーメン街道"などとも呼ばれ、ラーメン激戦区となっている。そんなラーメンストリートに軒を連ねるお店の中から、特にこってり系ラーメンが人気の代表的な3店を紹介していこう。

限定ラーメンにはとろっとろの牛スジが!

まずは非常に行列率も高い「中華そば 高安」というお店。白濁したやや甘めのクリーミーな鶏ガラ・豚骨スープが特徴的だ。また、通常の「中華そば」(650円)のほか、限定品の「スジラーメン」(700円)もここの名物。トロトロに煮込まれた牛すじのエキスが濃厚スープによくマッチしている。

「中華そば 高安」の名物スジラーメン(700円)

同店は唐揚げも人気で、うっすらカレー味に味付けされているのが特徴。単品で3コ入り(350円)、5コ入り(500円)とあるが、一つひとつが大ぶりでかなりボリュームがあるので、ひとりなら3コ入りで十分。ちなみに、食べきれなかった場合は持ち帰りもできる。

「高安」の唐揚げ(350円)は3コ入りでこのボリューム

行列は日常茶飯事だが、「並んででも行く価値あり」と評判

京都一こってりとうわさの鶏白湯スープ

京都で一番“濃い”とうわさのこってりラーメンが味わえるのが「麺屋 極鶏」。名物「鶏だくラーメン」(650円)をはじめ、大量の鶏肉を混ぜ込んだという同店の鶏白湯スープは、ポタージュやルーといった印象のドロドロ具合。

ポタージュ状の濃厚スープが特徴の「極鶏」鶏だくラーメン(650円)

しかし、豚骨ベースではないせいか、見た目の印象とは裏腹に臭みやクドさはなく、上品でマイルドな味わい。そして、麺によく絡みつくので、食べていくうちにスープも自然と減っていく。

また、同店の「赤だくラーメン」(650円)も見た目のインパクト大。その名の示す通り、スープ表面が唐辛子で覆われて真っ赤なのだ。しかし、これまた見た目ほど“激辛”ではなく、こってり鶏スープのマイルドな味わいと相まって、ピリっとした風味に留まっており、クセになる味わいが人気の一品となっている。

見た目ほど危険な辛さではない「極鶏」の赤だくラーメン(650円)

暖簾に大きく「鶏だく」と書かれており、自信の品であることがうかがえる

●information
麺屋 極鶏(ごっけい)
京都府京都市左京区一乗寺西閉川原町29-7

京都ラーメンを代表する老舗店は意外とさっぱり

京都ラーメンの代表格として語られることの多い老舗「天天有」の本店も、一乗寺ラーメンストリートに店を構えている。鶏をベースに数種類の野菜を合わせた鶏白湯系スープは濃度・粘度が高く、とろりとした食感。しかし、これまた意外とさっぱりとした後口でしつこくない。

ここでは、中華そば(並600円)やチャーシューメン(並750円)のトッピングに、値段そのままでチャーシューを少し減らして温泉玉子や煮玉子をプラスできるというシステムも好評。

「天天有」の中華そば(600円)。煮玉子のトッピング追加が人気だ

ちなみに同店は、夜の部が京都ラーメン王道のこってり系ラーメンとなっており、昼(11時~16時)の部は「ひるまや」として営業し、煮干豚骨スープのラーメンがメインとなっている。

昼間は煮干豚骨スープの中華そば(650円)がメイン

1971年の創業以来、長く愛され続ける老舗人気店

●information
天天有
京都府京都市左京区一乗寺西杉ノ宮町49

このほかにも、こってり系を中心に、あっさり魚介系や二郎系など、人気ラーメン店がひしめく京都・一乗寺。ここに挙げた3店はもちろんオススメだが、できればやはり自分の足で食べ歩いて、納得のお気に入り店を見つけてほしい。

※本文中の情報・価格は2014年3月取材時のもの。4月以降、改定している店舗もある