――さて、3月で高校卒業ですね(取材は3月上旬)。何か思うところはありますか?

普段、友だちと遊んだりすることがあまりないんです。学校に行くと、必然的に会えるから、お話したり、一緒にご飯を食べたりできていたんですけど、その機会がなくなってしまうのは、ちょっともったいないというか…。

――プライベートでは? 学校の外で遊ぶことはないんですか。

ありません。だから、卒業後はこれまでと変わらないということになると思うんですけど、ただ…二度と会わないかもしれない人も学校にはいるんだろうなとか。

――進学は考えなかったんですか?

前まで考えていたんですけど…。今は勉強以外にすることがいっぱいありますし、両立できるのであれば行きたいなとは思ってます。でも、大学は行こうと思えばいつでも行けますから。

――今まで学業との両立として向き合ってきた仕事。その学業がなくなることによっての変化はありますか。

全くないです。あっ! 映画が高くなる(笑)。それは本当に惜しくて…。映画は行きたい時に行っていましたけど…。

――この作品ではそういう"大人になること"が描かれています。ご自身ではどのように考えていますか。

これは前から言っているんですが、確定申告を一人で出来る人が大人だと思います。事務所の方や親に手伝ってもらってるんですが、それでも大変で…。

――思わず笑ってしまいました。この手の質問には、いつもそう答えているんですか。

そうですね。多面的なことを考えるのは大変なので、決定的なものを出すようにしています(笑)。

――それでは最後にこの作品に興味を持っている人に向けてのメッセージをお願いします。

最初に言ったように、心のどこかに引っかかってほしいというのが一番の望みです。だから、赤面してくださったと聞いてすごくうれしかったです。あったのかどうなのか、実は記憶を美化しているのではとも感じてしまう幻想的な物語。そういうギリギリの曖昧さを楽しんでほしいなと思います。

――その曖昧さには、共演者との雰囲気が重要になりますよね。

前野(朋哉)さん以外の方は皆さん、初めてでした。池松(壮亮)さんは普段あまり感情を表に出さない方なんですが、本当に楽しい時はこちらまでうれしくなるぐらい、はしゃぐ方でした。

――そんな池松さん演じる浅井由と、最後は結ばれてほしいなと思いながら見ていました。

あぁ、なるほど。そこまで行くと4時間ぐらいかかっちゃいますね(笑)。

(C)2014 樋口直哉・小学館 / 「大人ドロップ」製作委員会