近畿日本鉄道と三重県四日市市は27日、近鉄内部・八王子線を運営する新会社の設立を発表した。新会社の社名は、「四日市あすなろう鉄道株式会社」となる。

近鉄内部・八王子線を運営する新会社は「四日市あすなろう鉄道」に

四日市市内を走る近鉄内部・八王子線は、「ナローゲージ」と呼ばれる軌間762mmの特殊狭軌線であることが特徴。近鉄内部線は近鉄四日市駅から内部駅までの5.7kmの路線、近鉄八王子線は途中の日永駅から西日野駅までの1.3kmの路線で、ともに近鉄四日市駅発着で列車が運行される。

近年は利用者の減少などによる恒常的な赤字が続き、近鉄側が四日市市へ「バス高速輸送システム(BRT)」での運行を提案するなど、鉄道での存続が危ぶまれる状況だった。昨年、「公有民営方式」へ移行し、鉄道として存続することで合意。四日市市が第三種鉄道事業者(鉄道施設・車両を所有)となり、近鉄と四日市市の出資で設立される新会社が第二種鉄道事業者(鉄道施設・車両を借り受けて運行・営業業務を行う)として運営を行うこととなった。

新会社の資本金は5,000万円で、株主は近鉄(75%)と四日市市(25%)。社名となった「あすなろう」について、「未来への希望(明日にむかって)や、内部・八王子線の特徴であるナローゲージ、将来にわたり市民の皆様とともに育てていく鉄道という思いを込めています」(近鉄)とのこと。今後のスケジュール(予定)として、2014年度に地域公共交通総合連携計画の提出、鉄道事業再構築実施計画の認定申請を経て、鉄道事業再構築実施計画の認定を受け、2015年度から新体制による運営を開始するとしている。