『男はつらいよ』『たそがれ清兵衛』や、最新作『小さいおうち』などで知られる、山田洋次監督の映画作品を紹介する東京・葛飾にある山田洋次ミュージアムに行ってきた。

山田洋次ミュージアムの館内

「葛飾柴又寅さん記念館」の向かいに2012年12月オープンした「山田洋次ミュージアム」は、『男はつらいよ』シリーズと平行して作られてきた"山田洋次のもう一つの世界"と呼ばれる作品群を中心に紹介。それぞれの作品制作当時の社会背景や描かれた人物像、監督の映画づくりへの思いを知ることができる。

エントランスには、半世紀におよぶ撮影現場の膨大な写真でつくられた、山田洋次監督の巨大な肖像写真を展示。熱く語っているような監督の写真には、「ぼくの作る映画が観客にとって"身につまされるような"物語であり"他人事ではないような"ドラマでありたい。いつもそんな思いで制作してきた。このミュージアムも、その願いがこめられた世界であってほしい」という監督の直筆メッセージが添えられている。

山田洋次ミュージアムの入口

山田洋次監督の巨大な肖像写真

館内では、1961年のデビュー作『二階の他人』から、2014年1月公開の『小さいおうち』までの作品群を、時間軸を基調に8つのテーマに分けて紹介。初期の時代の作品を紹介する「デビュー作から『男はつらいよ』誕生まで」、監督が追い続けるテーマ"家族"の物語に焦点をあてた「家族とは」をはじめ、「立ち止まる 振り返る」「教育とは」「渥美清へのオマージュ」「時代劇三部作」「人々の苦難により添って」「名作に挑む」に分けて、それぞれパネルや台本などを展示している。「名作に挑む」では、小津安二郎監督の『東京物語』へのオマージュ作品として制作された『東京家族』などを紹介し、オリジナル作との比較が楽しめるようになっている。

最新作『小さいおうち』の台本や原作本を展示

『たそがれ清兵衛』で清兵衛が暮らす母屋の模型

そのほか、館内中央には、35mm映写機とフィルム、フィルム缶によるシンボルオブジェを展示。また、山田洋次監督の歴代全作品の予告編を鑑賞できるコーナーもある。

映写機とフィルム、フィルム館のオブジェ

山田洋次全作品予告編コーナー

【住所】東京都葛飾区柴又6-22-19
【電話】03-3657-3455
【開館時間】9:00~17:00(なるべく閉館30分前までに入館するようにとのこと)
【休館日】第3火曜日(第3火曜日が祝日・休日の場合は、直後の平日)
※12月の第3水・木曜日も休館、年末年始は営業
【入館料】一般(高校生以上)500円、児童(小・中学生)300円、幼児無料、シルバー(65歳以上)400円、団体(20名以上)400円 ※葛飾柴又寅さん記念館と共通券
【交通】京成金町線柴又駅より徒歩8分、または北総線新柴又駅より徒歩12分