――ご自身に置き換えると、蓮佛さんにとっての「守るべきもの」は何ですか。
何だろうなぁ…でも、今はまだ「自分」ってなっちゃいますね。当然、子どももいませんし、家族を守れるほどの立場でもまだないですし。まだ、「自分」としか言えないへなちょこです(笑)。
――昨年は大学を卒業されました。そこからちょうど1年が経ちますが、大学を経てのこの1年はそれまでと比べていかがでしたか。
私にはこの仕事しかないというのが、よりいや応なしに突きつけられるというか。学生とは言えなくなってしまったので、もっと自分の中で大人としてちゃんとしなきゃいけないんだなというのもあります。あと、自分がというより、周りが就職して話すことが大人になったというか。バイトや彼氏の話だったのが、「職場の上司がさ」みたいな感じで(笑)。そうなると、周りに感化されて私も大人にならなきゃっと思えるようになりました。
――例えば、そういう友達グループで周りが仕事の話をした場合、蓮佛さんはどのような話をされてるんですか。
そうですね、同じように仕事の話をしてますよ(笑)。あとは、今ドラマ(『夜のせんせい』)に出ていて、見てくれている友達もいるので、「あのシーンってどう思う?」とか聞いています。学生の時は、仕事の話をするのがあまり好きではなかったんです。自分が逆の立場だったら、同じように興味を持つだろうと思いますが、自分の中ではそんなに大したことはしてないという思いもあって。でも、卒業してからは普通に話すことができるようになりました。
――やはり、仕事に携わるようになると自然とそういう雰囲気になりますよね。
そういうことに気づけただけでも、大学には行ってよかったなと思います。バイトを転々としていた友達が就職した時にすごくうれしかったり、そういう人生の転機を近くで見られることが大事で。この仕事だけをしていると年齢が近い人たちが考えていることや、抱えているものもわからなくなるんです。だから、互いに近況を話しても楽しいですし、いつも新鮮な気持ちでいられるのだと思います。
――役者さんやタレントの方々が大学に行くのは、そういう意味もあるかもしれませんね。
自分で行きたいと思って大学に行ったものの、テストが面倒に思うこともあったりしたんですが、そういう友達との出会いはとても貴重でした。最近もよく会うのは、大学の友達です。高校は堀越の芸能コースだったんですが、そこでの友達はあまり休みが合わないんですよね(笑)。
――今後の抱負として、思い描いていることはありますか。
漠然としたことだと、この仕事は求められないとできない仕事ですから、そういう存在でありたいという思いはあります。そのために何をしたらいいかというと、やっぱり目の前のことをきちんとやること。数年後にこうなっていたいとか妄想するよりも、まずは目の前のことを丁寧にやっていこうと思うようになりました。
――具体的な目標は犬か猫を飼うということですよね。
あははは!そうですね、確かにそうです。
――それでは、最後にメッセージを。
時代劇のイメージが強いと思うんですけど、そういう先入観なく見に来ていただければなと思います。もちろん猫がかわいいというのもありますし、北村さん演じる斑目さんが突然歌ったりだとか(笑)。浅利くん演じる新助さんと私が、血のつながっていない斑目さんと家族のような存在になったり、ホッコリするシーンもあります。そういう、癒やしの映画です(笑)。
(C)2014「猫侍」製作委員会