「扇面歌意画巻(部分)」 日本・江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

根津美術館は2月16日まで、コレクション展「和歌を愛でる」を開催している。

和歌と日本美術の様々な結びつきの姿を堪能

季節の移ろいや心の微妙なありようを、31文字に託して詠んだ和歌は、日本美術と密接な関わりをもち、様々なジャンルで造形化されてきた。人々は和歌を詠み、流麗な手跡で文字に表し、また、絵画や工芸に表現された意匠から和歌を読み解き、茶道具には歌銘を付して新たな価値を見出してきたのだという。

同展では、同館蔵品の古筆、屏風絵、蒔絵の硯箱、茶道具など和歌にちなんだ名品を厳選し、重要文化財9件を含む30件余を展示する。なかでも、「扇面歌意画巻」は修理後初のお披露目であり、展覧会で初めて100図すべてを公開する。

同展は、平安時代から江戸時代にわたる、和歌にちなんだ日本美術の展開を堪能できる、絶好の機会となる。

重要文化財「鼠志野茶碗 銘 山の端 美濃」 日本・桃山時代 16~17世紀 根津美術館蔵

重要文化財「花白河蒔絵硯箱」 日本・室町時代 15世紀 根津美術館蔵

また、期間中は講演会「和歌と視覚芸術 花鳥風月をめぐって」(2月1日)、「懐紙・短冊と和歌」(2月8日)や、スライドレクチャー(1月24日)を開催する。

開催日時は、1月9日~2月16日 10時~17時(入館は16時30分まで)。休館日は月曜日。ただし1月13日は開館し、翌14日は休館。会場は、根津美術館 展示室1・2(東京都港区南青山6-5-1)。入場料は、一般1,000円、学生(高校生以上)800円。中学生以下は無料。その他、詳細は同館Webページを参照のこと。