徳島県のJR高徳線・鳴門線徳島~鳴門間にて、自己充電型バッテリー電車「Smart BEST」の走行試験が実施されている。17日には出発式と試乗会が開催される予定だ。

徳島県内の高徳線を走行する「Smart BEST」

「Smart BEST」は、近畿車輛が2012年に開発・製作した非電化路線用バッテリー電車。自車内にエンジン発電機を搭載しており、自ら発電して大容量バッテリーへ充電も行うことで、電車と同様、モーターで駆動することが可能だという。従来のディーゼルカーと比べて、燃費の向上や低騒音・低振動の実現、環境負荷の軽減、保守の省力化、運転制御の高機能化などが期待されている。

JR四国は昨年12月から、「Smart BEST」による走行試験を同社管内にて実施しており、1月14日からは徳島~鳴門間で走行試験がスタート。徳島県は全国47都道府県で唯一、電化された鉄道路線がない県となっており、それだけに「徳島県内初となる電車走行」への関心は高い様子。「Smart BEST」が鳴門駅へ到着するのと同時に、平日にもかかわらず、駅周辺には多くの鉄道ファンが集まった。

17日に実施予定の試乗会も、募集人員20名(徳島県内在住者が対象)に対し、5倍近くもの申込みがあったと報じられている。当日は鳴門駅を13時30分に発車する「Smart BEST」(徳島行)が試乗列車となり、発車前には鳴門駅1番ホームにて出発式も開催。徳島県知事、近畿車輛代表取締役社長、四国旅客鉄道代表取締役社長らが出席し、駅長の出発合図とともに、「Smart BEST」試験列車が発車する。

鳴門線の終着駅、鳴門駅では2時間ほど停車し、徳島方面へ折り返していった

自己充電型バッテリー電車「Smart BEST」による徳島県内での走行試験は、1月20日以降も実施される予定。走行区間は徳島線徳島~阿波池田間に変更される。期間は2月7日までとされているが、土曜・日曜は走行試験を運休するとのこと。