2013年もあとわずかになりましたが、今年も芸能人たちは例年以上にワイドショーを賑わせてくれました。熱愛、結婚、スキャンダル、謝罪会見、ドロ沼裁判……芸能人たちの喜怒哀楽が詰まったワイドショーを毎日6時間見続け、『芸能まるごと一週間』連載中のTVウォッチャー・木村隆志が、2013年の芸能ニュースTOP10を選びます。
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10位 「中島知子がさらに迷走! 谷間ボンテージ、事務のバイト、交際宣言」
昨年の家賃滞納+洗脳騒動からようやく芸能界復帰を果たした中島。3月に『ワイド!スクランブル』へ出演し、「洗脳はなかった」「浪費癖がひどかった」と弁明したが、所属事務所を解雇され、仕事がなくなってしまった。
その後はオセロの相方・松嶋尚美と会って「正式に解散宣言」したり、「ローソンでバイトしたい」と言い出したり、都バスに乗って事務仕事へ行ったり、樹木希林に詫び状をダメ出しされたり、谷間全開のボンテージ姿で下着を見せたり、シンガー気取りでジャズライブをはじめたり、交際5年半の恋人がいることを自ら暴露したり……話題作りに必死。
そういえば、映画『ハダカの美奈子』で主演を張り、ヌード写真集も出版していたが、むしろこちらの方が話題にならず……。いまだ所属事務所がないため、めったに見かけないが、ワイドショーでの存在感は健在で、当コラムにも12回登場した。
9位 「仲里依紗と中尾明慶、ダブル略奪と失笑の『BIG LOVE』」
2009年の映画『時をかける少女』で初共演し、昨年のドラマ『つるかめ助産院』沖縄ロケで親密になり、11月にはお泊りデート報道、今年3月にデキ婚を発表、10月に男児が誕生した。
忘れられないのは、結婚発表時のコメント。「4年前に初めて出逢って以来、とても仲の良い友人でしたが、お互いに尊敬し合え、この人となら幸せな家庭を築けると確信し、結婚することを決めました。二人の合言葉は“BIG LOVE”」。決め言葉が何とも言えない失笑を誘ったが、夫婦仲は良好らしい。
しかし、交際がはじまったころ、仲には浅野忠信、中尾には元モデル・秋定麻紀子さんという交際相手がいたという。しかも秋定さんが結婚発表時に「でき婚ね~。複雑」とツイートしたことで、確定的になってしまった。それ以上の騒動にはならなかったが、仲の魔性ぶりと、中尾の笑顔に隠れたもう1つの顔がチラリ。たくましい2人は、これも演技の糧にしてしまいそうだ。
8位 「『バカヤロー』と植毛。みのと板東のオッサン謝罪祭り」
次男の逮捕で看板番組『朝ズバッ!』を降板させられ、謝罪会見を行ったみのもんた。「厳しく接しすぎた。僕は殴るタイプ」と妙な弁明をはじめたと思えば、「夢にまで見た報道番組を失うのは断腸の思いだが、自分に一番苦しい道を選んだ」と必死に復帰アピールした。“70分間しゃべりっ放しの独演会”となった会見の締めくくりは、次男に向けて「バカヤロー!」の一喝。ただ、「TBSアナへのセクハラ騒動を起こした自分は?」と誰もが突っ込まずにはいられなかった。
一方、板東英二は個人事務所による7500万円の申告漏れを謝罪。手口の悪質さと納税CMキャラを務めていた厚顔さから、全ての番組を降板させられていたのだ。板東は「一番大きな問題は、私が税について無知であったこと」と謝罪しつつ、言い訳に用意したのは「あの……私、実はタレント生活の約20年近くは、植毛をずっとやってまいりました。カツラ代として経費でおちると思っていたので」とまさかのカミングアウト。分かりやすく恥をさらすことで、批判をかわそうと思ったのだろう。ただ、完全にスベった。
ともに謝罪会見は打開策にならず、メディア露出はほぼなし。現在みのは69歳、板東は73歳。ときどき見るくらいなら許してもらえる年齢かもしれない。
7位 「歌姫の恋と結婚。破天荒すぎる浜崎あゆみと華原朋美」
今年も浜崎はお盛んだった。昨年11月に「ドロ沼三角関係」で話題を集めた内山麿我がホームレスにまで落ちぶれたことを明かす中、自らは新恋人を作り、バリ島旅行へ。さらに、12月にはその男性と電撃婚約。相手は「10歳年下のアメリカ人医学部大学院生」と、またも“青田買い”だ。ここ数年の「歌姫としてよりも、恋愛体質ばかりがクローズアップされる」存在から脱出できなかった。
一方、本業の歌で復活の足がかりをつかんだのが華原。今年頭は、脱薬物だの依存症だの暗い話ばかりだったが、4月に7年ぶりのシングル、6月に8年ぶりのアルバムをリリース、12月には因縁の小室哲哉と共演するなど、本業で注目を集めた。さらに世間を驚かせたのは、明治天皇の玄孫(やしゃご)・竹田恒泰氏との熱愛報道。ところが、デートこそしているものの、華原は何度も告白を断り、竹田氏をお預け状態にしているという。2人の恋に世間の目は好意的だけに、2014年には交際宣言どころか、一気の結婚があるかも。
6位 「舞台悲喜こもごも。宮沢りえの奇跡、土屋アンナのドタキャン」
天海祐希が軽度の心筋梗塞で舞台『おのれナポレオン』を急きょ降板することになり、宮沢りえが代役を務めることに。しかし、開演までわずか2日間で「130ものセリフに加え、ピアノ演奏、フラメンコも覚えなければいけない」という大ピンチ。しかも宮沢は、別の舞台ゲイコ中であり、娘の幼稚園でお遊戯も覚えていたのだが、3日間4公演を見事に乗り切った。今年最も株を上げた女優だろう。
一方、土屋アンナは初舞台をドタキャンし、主催者の甲斐智陽氏から訴えられてしまった。損害賠償の請求額は3026万円で、土屋のギャラが210万円、甲斐氏のギャラ(演出・脚本・作詞作曲料)は315万円という内訳が発覚。さらに、「土屋はセリフが棒読み」という発言や、悪人顔と服のセンス、仕事の激減ぶりなど甲斐氏がワイドショーを盛り上げた。
裁判はまだまだ続き、なかなかのイジられキャラである甲斐氏は映画化を進めているというから、来年も楽しめそうだ。
5位 「世界に発信された丸刈りアイドル、峯岸みなみ」
ワイドショーだけでなく、報道番組でもトップニュースで報道するなど、大きな反響を呼んだ峯岸の丸刈り謝罪。GENERATIONS・白濱亜嵐とのお泊り報道を受けてのものだったが、あまりの衝撃にその動画が世界中で再生され、物議を呼んだ。
これまでAKBの恋愛スキャンダルに関わる懲罰は、脱退や左遷などがあったが、峯岸はこの自爆が効いたのか、研究生への降格で済んだ。番組で小藪一豊が、「丸刈りのあとはもうリストカットまでいってしまう」と話したように、戒めはかなり危険なところまで来ている。そのせいか峯岸以来、AKBメンバーの大きなスキャンダルがパタッとなくなった。お行儀がよくなったからか。それとも、マスコミが追いかけなくなったのか。
最近は剛力彩芽のプロペラダンスを小バカにすることで、久々に存在感を発揮した峯岸。残り3人となった1期生として、どう生き残っていくのか。ある意味注目の存在だ。
4位 「安藤美姫、まさかの極秘出産と助っ人『YES! 高須』」
元日付けでトヨタ自動車を退社したときは、「プロスケーター転向と寿退社」なんて言われたが、フタを空けてみたらシングルマザーになっていた。7月に急きょ『報道ステーション』へ出演して、4月に女児を出産し、休養の理由を「スケートよりも子の命を選んだんです」と激白したのだ。結婚や妊娠報告を飛び越えての出産報告は異例であり、さらに「ソチ五輪も目指す」という貪欲さがいかにもミキティらしい。
その後、父親と噂されるプロスケーターの「明太王子」こと南里康晴の年収やバイト生活がさらされたり、「子どもの名前『ひまわり』はロシア国花で元彼・モロゾフコーチにちなんだもの」と噂されたり、ワイドショーはイジリ放題。しかし、ミキティは練習すらままならないほどの資金難で、五輪を目指すどころではなかったのだが、そこに『高須クリニック』院長・高須克弥氏が手を差しのべた。「YES! 美姫ちゃんを応援します。僕はシングルマザーフェチだから」とイメージキャラクターの契約料3000万円をポンと出したのだ。この組み合わせが面白かったのか、「父親の名前を明かせないなんてひどい」「本気でソチを目指していたのなら避妊したはず」などのバッシングは、ほぼ消えてしまった。
昨年7月、「I born to die(私は死ぬためにうまれてきた)」という絶望のツイートをしていただけに、その人生は波乱万丈そのものだ。
3位 「今年の顔・堺雅人と菅野美穂の新あげまん伝説」
3月の『とくダネ』独占インタビューで「結婚願望はある」と話した翌週に、菅野美穂との結婚が発覚した堺。昨年末公開の映画『大奥』共演で急接近し、交際スタートは公開後で、わずか3か月でのスピード婚だった。2人そろっての会見はないが、主演級俳優同士の結婚に業界は話題沸騰。特に堺は7月スタートのドラマ『半沢直樹』が大ヒットし、最終回が今世紀最高視聴率を記録した。続く『リーガルハイ』も熱血漢の半沢とは真逆の人でなしキャラで評価はうなぎのぼり。その勢いはソフトバンクやラーメン『頂』などのCM出演にもつながり、アッという間に「今、最も数字を持っている男」に。下積み時代、警備員やコンビニのバイトをクビになり、トレードマークの笑顔も「ヘラヘラするんじゃない」と怒られていた堺はどこにもいない。
一方、妻の菅野は、4年連続で務めていた連ドラ主演を控えるなど、黒子に徹する姿勢で堺を支え、その“あげまん”ぶりが絶賛された。来年は妊娠・出産で話題をふりまいてくれるかもしれない。
2位 「やべっち、淳、後藤、吉田……アラフォー芸人が謎の結婚ラッシュ」
ナインティナイン矢部浩之と青木裕子、ビビる大木とAKINA、ハマカーン浜谷健司と渡辺正行のマネージャー女性、ブラックマヨネーズ吉田敬と一般女性、フットボールアワー後藤輝基と一般女性、ロンドンブーツ1号2号田村淳と元モデル・香那さん、アンガールズ山根良顕と英会話講師。とにかくアラフォー芸人たちが結婚しまくった。
矢部はデレデレトーク、大木は逆プロポーズ、吉田は相方・小杉との相手かぶり(14歳年下で医療関係)、田村は「できすぎた嫁」など、それぞれキャッチーなネタを織り交ぜてくるのは、キャリアのなせるワザか。
かつて芸人は、女優やアーティストとの熱愛が目立ったが、最近はめっきり一般人嗜好。もしくは「元タレント」という名の素人美女を選びたがる。特にアラフォー芸人たちは、「生存競争の中でギラギラしている」女性タレントより、「自分をいっぱい癒してくれる」キレイな普通の子が大好きだ。仕事が安定して自信が生まれ、落ち着いた家庭を作りたがる気持ちは分かるが、破天荒な芸人がいないのは寂しい。
1位 「『お股が温かそうな人』矢口真里が2013年を独走! 罵声から笑いへ」
矢口の1位は正直ベタだが、やはり別格の存在感だけに逆らえなかった。5月の「デコボ婚夫婦が別居」にはじまり、「矢口が夫に浮気現場を見られた」「(朝の番組なのに)部屋に浮気の残骸(避妊具)があった」「元カレ俳優もキラキラ絵文字メールで自宅に誘った」「矢口に暴露本企画や不倫あっせんサイトのオファー」「貯金が一億円あるから5年間は復帰拒否」「A5ランクの高級近江牛と発泡酒で激太り」「中村昌也のDVでケガをして実家に帰った」「ブログで『無期限休業』宣言」「間男・梅田賢三との半同棲2ショット。カラオケでtrfを熱唱」「矢口る(やぐる)が裏流行語大賞に決定」と見出しだけでもおもしろすぎる。そして、最近も「お股が温かそうな女性芸能人」でダントツ1位(2位は壇蜜)になるなど、もはやバッシングよりも面白キャラに昇華した。
結婚出産で湧く元モー娘の中でも、ダントツの売れっ子だった矢口がズドーンと転落。もともと小栗旬や川久保拓司との熱愛時も、中村昌也との結婚時も、猪突猛進の超恋愛体質だけに、まさかの「梅田との純愛」2ショット復帰宣言はあるか。少なくとも今後3年間は、ワイドショーのエースとして活躍できる権利を得たのは間違いない。10年後、“女・石田純一”のような立ち位置になっているかも。
その他の主なニュースは、「KAT-TUN田中聖がジャニーズ解雇! 副業と激ヤバ写真」「西山茉希&早乙女太一のDV乗り越えデキ婚」「反町隆史&松嶋菜々子夫妻が飼い犬裁判で1725万円の支払い」「バカ夫婦・若山騎一郎&仁美凌のスピード復縁婚と薬物逮捕」「樹木希林が全身がんを告白」「ASKAの病気療養と薬物中毒疑惑」「保田圭の大逆転結婚と父の失踪」など。
主な熱愛報道は、「伊勢谷友介と長澤まさみ」「新垣結衣と錦戸亮」「前田敦子と尾上松也」「橋本愛と落合モトキ」「きゃりーぱみゅぱみゅと深瀬彗(SEKAI NO OWARI)」「田中裕二(爆笑問題)と山口もえ」「松田翔太と忽那汐里」「戸田恵梨香と勝地涼」「菜々緒とJOY」「田中麗奈と高橋一生」「有村架純と岡本圭人(Hey! Say! JUMP)」「新井浩文と二階堂ふみ」など。
芸能人のみなさん、1年間おつかれさまでした。2014年も「腹を抱えて笑える」「思わず突っ込みたくなる」、そして「心の底から感動できる」芸能ニュースをよろしくお願いします。
木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ評論家、タレントインタビュアー。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超える重度のウォッチャーであり、雑誌やウェブにコラムを執筆するほか、業界通として各メディアに出演&情報提供。取材歴1000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、著書に『トップ・インタビュアーの聴き技84』など。