35歳で初めての出産。まだまだ新米ママではあるが、今思うことは「育児が想像以上に大変である」ということ。反面、子供は思っていた以上にかわいい。我が子への愛情だけで日々を乗り切っている感じだ。

新米ママすぎて、皆様にとって有益な情報は提供できないかもしれないが、いま、産後鬱などで悩むママたちがこの連載を読んで、「あ、私だけじゃないんだ……」とちょっとでも気持ちが楽になってくれるとうれしい。

妊娠中は我慢の連続

タイトルが「育児って大変だ」なのだが、実際は出産前からそうだった。

妊娠が判明したのは35歳になる直前。それほど身体が丈夫なわけでもないくせに、大酒飲み。食べるのも大好きで、焼肉からケーキまで好きで、要するに脂だって油だって大好物。チーズも刺身も生ハムもスモークサーモンも好きだった。そんな暴飲暴食生活のため、健康診断では毎回コレステロール値が引っかかっていた。

そして妊娠生活がスタート。アルコールはもちろん、前述の食べ物はすべてNGとなった。ナチュラルチーズや生ハム、スモークサーモンはリステリア食中毒の危険があるので避けるべきとのこと。刺身をはじめとした生ものだって、食中毒の危険があるので好ましくない。

妊娠中って、体重を気にせずに好きなものを好きなだけ食べられる期間だと思ってた……

妊娠中期からは、体重の増加ペースがアップしてきたため、焼肉やケーキといった高カロリーなものは制限する必要が出てきた。さらには尿検査で蛋白と糖が出始め、「塩分・糖分・油分は控えめにね」と言われ、「だったら何を食べればいいの……」と途方に暮れた。

妊婦ゆえに行動は制限され、そのストレスを酒や食べ物で発散することもできない。悶々とした日々に追い打ちをかけるように、血液検査で妊娠糖尿病のグレー判定。「ブドウ糖負荷試験を受けて、妊娠糖尿病判定が出たら来週から入院ね」と言われた。「まだ産休までは時間がある」とそのつもりで仕事を進めていたのでびっくり。万が一に備えて仕事を巻きで進め、入院グッズも買いそろえて大慌てで準備を整えた。

結果、妊娠糖尿病ではなかったものの、依然として食事制限は続く。そして足はどんどんむくみだし、足首が全くなくなり、足の甲もパンパンに膨らんで象のような足になった。スニーカーですら入らず、クロックスをはく毎日。高いお金を払ってマッサージに行っても、数時間後にはまた足がパンパンになる。

妊娠中って、もっと幸せな期間だと思ってた。子供のことを考えながら、ふわふわした気持ちで過ごす期間だと思ってた。

でも現実は180度違ってた。危機的状況に陥ることは一度もなかったが、我慢我慢の日々だった。そして迎えた出産前日。計画出産のため、出産予定日の1日前に入院した。「やっと子供に会える」。待ち望んだ出産日が来たわけだが、やっぱり私は運が悪いのか、そう簡単にその瞬間はやってこなかった。