12月1日まで一般公開中の「第43回東京モーターショー2013」。スバルは次期「レガシィ」と目される「レヴォーグ」を世界初公開し、来場者の関心を集めている。2014年1月から先行予約がスタートする「レヴォーグ」を中心に、スバルブースを見学した。

待望のスポーツツアラー「レヴォーグ」プロトタイプが参考出品

ダウンサイジングで新時代を切り拓く「レヴォーグ」

スバルブースの主役はなんといっても、スポーツツーリングワゴン「レヴォーグ」。カタログに「SUBARU 25年目のフルモデルチェンジ」とあるように、1989年の登場以来、同社を代表するモデルであり続ける「レガシィ」の後継車種と考えられる。

同時期に米国で開幕したロサンゼルスモーターショーでは、「レガシィコンセプト」という名の世界戦略車が発表されたが、日本において現在の「レガシィ」を受け継ぐのは、この「レヴォーグ」と見ていいはずだ。

そのことは、シルエットを見ただけでも合点がいく。いい意味でキープコンセプトであり、次世代の「レガシィツーリングワゴン」にふさわしいフォルムだ。走りを連想させる精悍な顔つきや低めのルーフライン、日本を代表するステーションワゴンに似つかわしい上質感。「スバリスト」も納得のたたずまいではないだろうか?

いい意味でキープコンセプトのシルエット。より低くなったルーフラインが、安定感と走りの良さを連想させる

新開発の1.6Lボクサー直噴ターボ"DIT"エンジンのカットモデル。水平対向の採用を貫くスバルの思想が感じられる

仕立てのいいファブリックにステッチのアクセント、ピアノブラック調仕上げのパーツと、上質なインテリア

ブースには、「レヴォーグ」の基本グレードに搭載される、新開発の1.6L水平対向直噴ターボ"DIT"エンジンの技術展示もあった。小排気量エンジンに直噴システムとターボを組み合わせることで、燃費とパワーをバランスさせた、新世代のボクサーエンジンと言えるだろう。欧州車ではダウンサイジングがトレンドとなって久しいが、現行「レガシィ」の2.0Lと2.5Lという構成が見直され、「レヴォーグ」では1.6Lと2.0Lに各2グレードが設定される。カタログには、「無給油で1,000kmを超える長距離走行が可能」とあり、スポーツツアラーにふさわしいツーリングパフォーマンスを発揮しそうだ。

他にも、質感の高いインテリアとゆったりした空間でくつろげそうな室内や、より進化した運転支援システム「アイサイト(Ver.3)」など、長時間のツーリングをアシストするユーティリティも満載の様子だった。「レヴォーグ」は来春の発売予定で、2014年1月4日から先行予約が開始されるとのこと。

「BRZ」にハッチバック登場!? GTマシンも展示

スバルブースでは、今年のスーパーGT第5戦で優勝を飾った「SUBARU BRZ GT300」の展示も目立つ。その他の見所といえば、「レヴォーグ」と同じく世界初公開となった「CROSS SPORT DESIGN CONCEPT」だろうか。都市型SUVとして提案されているのだが、サイズもルックスも「BRZ」の仲間といった印象の、スポーティなコンパクトハッチだ。近い将来、このクラスの遊べるモデルの選択肢が拡充していくのかと思うと、うれしくなる。

「CROSS SPORT DESIGN CONCEPT」は「BRZ」のハッチバックモデル!?

スーパーGT参戦1年目にして優勝を果たした「SUBARU BRZ GT300」

「SUBARU BRZ Premium Sport Package」は12月26日発売予定

今年のジュネーブショーで公開された「VIZIV EVOLUTION CONCEPT」がジャパンプレミア

次世代クロスオーバーコンセプト「VIZIV EVOLUTION CONCEPT」も日本初出展。プラグインハイブリッドシステムが採用されたり、未来的なデザインだったりと、スバル特有の土のにおいは洗い流されているものの、ダイナミックなデザインからは、どんな悪路でも走破してくれそうな予感が、やはり漂う。

まとめると、日本のクルマの漠然とした未来像ではなく、「自分にとっての次の1台」がより具体的に見えてくる……、というのが、今年のスバルブースを見ての感想だ。一般公開でも、「レヴォーグ」の購入を真剣に検討するユーザーであふれ返ることだろう。

スバル「レヴォーグ」外観・内装イメージ