各保険会社の商品に精通している保険クリニック

自分に万一のことがあったときに頼りになる生命保険。不測の事態に備え、入っていた方がいいのだろうけれど、いろんな商品がありすぎて、仕組みも難しそうで選べない。実際のところ、どんな種類のリスクに対応できて、どういったプランがあるのか。生命保険未加入なので、そろそろ入らなきゃ……と焦っている独身アラサー記者がコンサルティングを受けてみた。

まずは自分が不安に思っている保障を把握

コンサルティングを受けるのであれば、無料で、しかも各生命保険会社の商品を比較したい。ということで、各保険会社の各種保険商品について詳しく説明してくれる「保険クリニック」を訪れた。

「いらっしゃいませ」

笑顔で出迎えてくれたのは、保険クリニックでファイナンシャルプランナーとして活躍されている長野悦子さんだ。生命保険のことを全くわかっていませんが、よろしくお願いします。

笑顔で相談に乗ってくれる長野さん

まずは、自分がカバーしたいと思っている保障(病気、成人病、老後資金など)や家族の健康状態などをコンサルティングシートに記入。うーん、今すぐにがんになるとは考えられないし、学資金も何も、まだ結婚していないし…。やっぱり、老後の生活資金が一番気になるかなぁ。

「それでは保障が一生涯続き、万一の際に必ず保険金が支払われる終身保険で、いろいろと試算してみましょうか」。はい、お願いします!

各社の保険商品のメリット・デメリットがわかる「保険IQシステム」

長野さんは手元のパソコンを使い、死亡保険金の金額や払込期間などの各種条件を入力し始めた。まもなく、各保険会社の保険商品が一覧で画面上に現れた。

「これは『IQシステム』という弊社が開発した独自のシステムです」。画面には、各保険商品の毎月の保険料や特徴が記されているため、とても比較がしやすい。これだけ簡潔に特徴がまとめられていると、複雑な保険商品がちょっと身近に感じられる。

IQシステムの画面

IQシステムを用いて説明する長野さん

長野さんはIQシステムを用いて、複数の終身保険型商品をグラフ化したものを印刷して説明してくれた。月々の保険料や解約時の返戻金などの違いが一目瞭然だ。

様々なパターンがあるなかで、「低解約返戻金型終身保険」に興味を持った。毎月の保険料1万8,000円超は決して安くはないけれど。61歳以降の返戻率が110%超(31歳で加入時)という点はメリットだ。大手都市銀行の普通預金の金利が0.02%台という時代に、これだけ貯蓄性が高くかつリスクがないというというのはかなり魅力的。これならば、定年後の資金もある程度安心できそうだな。

入院時は一日平均で1万6,000円の費用が

死亡保障はこれでいいとして、次は入院保障。こちらは定期タイプと終身タイプの2パターンがあり、さらに掛け捨てと掛け捨てでない商品の2種類がある。うーん、そもそも入院したことがないのだが、一体、入院すると一日どれぐらい費用がかかるのだろうか。長野さんが電卓をたたいてはじき出した数字は…げっ、1万6,000円!? そんなにかかるのですか?

「そのため、皆さん1日あたりの入院保障額が1万円の医療保険を検討されるケースが多いですね。それをベースに、さらに様々なオプションを付けられることも多いです」

そういって長野さんが紹介してくれた商品では、脳卒中などの3大疾病にかかった場合やがんと診断された場合などの様々なケースで特約が付くという。「国立がん研究センター がん対策情報センター」の2011年データによると、生涯における男性のがんによる死亡率は26%。4人に1人って結構高い数字だ。長野さんと話し合った結果、がん診断特約と、がん治療と関連性がある先進医療特約を付けてもらった。

親切丁寧な説明のおかげで、保険がちょっと身近に感じられた

いよいよ月々の保険費用発表!

老後の備えもできるタイプの死亡保障と特約を付けた入院保障。よし、これで月々の保険費用の見積もりをお願いしてみよう。長野さんから提示された処方箋シートによると、その合計は2万5,331円なり! うーん、やっぱり安くはないけれど、貯蓄性が高いタイプの商品ということと、これで一生涯の死亡保障と入院保障が得られるのなら、"預金"という観点からアリですかね。

ところで、自分のような独身アラサーが生命保険の相談に来る場合って、どういうケースが多いんですか?

「やはり老後の資金のご相談が多いですね。あとは、新入社員の際に生命保険に入って、10年契約で更新をする際に、保険料が上がるということでご相談に来られるケースも多いですね」

保障内容がビジュアル化してまとめられた処方箋シート

ほかにも結婚や子供の入学、マイホーム購入など人生の転機に保険の見直しをしたいという相談者が目立つという。その際は、長年経験を積んだファイナンシャルプランナーが、相談者が納得するまでコンサルティングをしてくれるという。

「現在の保険料などを把握し、様々なシミュレートをした上で、例えば『一番下のお子さんが私立の学校に入るとちょっと厳しいかもしれませんね』などのアドバイスを送ることもあります」。しっかりと相談者や顧客の目線に合わせて助言をし、最適な保険商品を選んでくれるというわけだ。

「生命保険に入るのは結婚をしてから」と考えていたが、今回のコンサルティングを受けて考えが変わった。自分のライフプランを考えた上で保険の加入をしようと思う。独身時代からそういう面をちゃんと考えている男って、魅力的にうつるのではないでしょうか、女性の皆さん!