初飛行は5時間強

ボーイングは9月17日に787-9型機の初飛行を実施、2014年半ばに予定している認証取得とデリバリーに向けてフライトテストを開始した。今回の初飛行には、新たなボーイング塗装を施した787-9型機を使用。機体は11時02分(現地時間)にシアトルを離陸して16時18分(同)に着陸、5時間16分間の初飛行を終えた。

最高運航速度は時速463km

ボーイング民間航空機部門の社長兼CEOのレイ コナーは、「当社のサプライヤー企業を含め、787型機チームにとって本日は大きな意味を持つ日となりました。来年に予定しているニュージーランド航空への初号機デリバリーが今から楽しみです」とコメントしている。

初飛行の操縦を担当したのは、787-9型機シニア・プロジェクト・パイロットのマイク ブライアン氏と、787型機チーフ・パイロットのランディ ナヴィル氏で、離陸後は北方にルートを取り、最高度20,400フィート(6,218メートル)まで上昇。最高運航速度も時速250ノット(時速463km)を記録した。

テストでは、ロールスロイス製トレント1000エンジンを搭載した機体を使用しており、今後はGE製GEnxエンジン搭載機1機を含めた2機のテスト機を加え、数カ月に渡って安全性や信頼性など様々なテストを実施する。なお、新たに加わる2機のテスト機は現在、エバレット工場にて最終組立作業に入っている。

8型機より航続距離は555km延長

787-9型機は、787-8型機での路線を更に拡張する性能を有している。標準型である787-8型機の環境性能(同サイズ機と比較して消費燃料と排ガス量を20%削減)を生かしながら、全長を6m(20フィート)長くして座席数を40席増加。航続距離も300海里(555km)延長する。また、客室内仕様には787-8型機のデザインを活用し、大型で電動シェード付き窓、大型収納棚、LED照明、高めに設定した湿度や客室内高度、よりクリーンな空気、機体の揺れの軽減などを実現したテクノロジーを採用している。

787-8型機プログラムでは日本企業が機体の35%の製造、胴体や主翼用の複合材、機内エンターテインメント・システム、ギャレー、化粧室、タイヤの供給など重要な役割を担っている。また、787-9型機プログラムにおいても、三菱重工業、川崎重工業、富士重工業、東レ、ジャムコ、パナソニック・アビオニクス、ブリヂストンなどの日系各社が参画している。

同社の報告では、787-9型機プログラムは予定通りに進捗しており、初号機のデリバリーはニュージーランド航空向けに2014年半ばを予定しているという。なお、787-9型機の受注はこれまでに25社から388機で、787型機全体の受注数の約40%を占めている。