エントランスで歓迎してくれる、Jiang Shuo 氏作の「Red Guards - Going Forward! Making Money! 」

東京でいうところの池袋や新宿といわれる繁華街・旺角(モンコック)。まわりには女人街などマーケットもひしめくこの下町エリアには、42階建ての5つ星ホテル「ランガムプレイス香港」がひときわ目立つ姿でそそり立っている。しかし、ただの高層高級ホテルではない! 扉の向こうにはテーマパークが広がっている、といっても過言ではない。

1,500以上のオブジェを展示

まず入り口には大きな紅衛兵の銅像があり、壁には絵画があるかと思えば、ロビーの端にはオブジェもある。館内のあらゆる所に美術品があり、その姿はさながら博物館のよう。キュレーターが選んだ中国モダンアートの絵画やオブジェが、大・小問わず1,500以上展示されているので、展示に添えてある説明を読みながら散策するのも面白い。

左から、「As Graceful As a Crane」、Cheng Xiang 氏作「Rainbow 」、Liao Yi Bai 氏作「Manman's Due」。オブジェについて知りたい場合は、日本語でのiPadの貸し出しもある

そしてホテルの部屋でも、小気味のいい出迎えが待っている。好きなタイプの枕を8種から選べるサービスの説明は「DREAM BIG」。シーツやタオル交換については「CHANGE ME」。メモは「NOTE TO ME」、コンセント類の説明は「CONNECT ME」と、まるで話しかけられてるかのようなのだ!

更にランドリーは「CLEAN ME」、ルームサービスは「FEED ME」、部屋の鍵は「MY PLACE」。そして 常備されたホテルの地図は「PLACE ME」(ホテル名“PLACE”を掛けて)

ワインリストにまで遊び心爆発!

このホテルに展開している、ミシュラン2つ星の創作中華料理レストラン「明閣」(Ming Court)、お楽しみは40年も広東料理を作り続けているシェフの腕だけではない。ちなみに「明閣」という名は、ホテルを建築する際、土地から明時代の遺跡が見つかったことに由来している。この由緒あるレストランでも、ゲストに楽しんで食事をしてもらおうという演出小物があるのだ。

広東料理に初めてワインを合わせたのがここ「明閣」。インテリアは明時代をテーマにしている

その演出は何とワインリストにある。男性におすすめ、女性におすすめのほか、料理に合うワインと逆に好きなワインに合う料理、さらには、複数人で意見が割れた場合には「ルーレット」で選べるという。ルーレットが回したくて何本も飲んでしまいそうだ。

そもそも広東料理に合わせるお酒は紹興酒だったのだが、酒税撤廃後ワインが手に入りやすくなった。そして、香港で初めてワインと合わせる広東料理を出したのがこの「明閣」なのである。そのためワインのメニューも豊富で、巨大なワインセラーには400種以上のコレクションが常備されているのだ。

全てのレストランでメニューをiPadにしている(明閣ではワインリストのみ)。ワインはグラスで92香港ドル(約1,180円)~、ボトルは320香港ドル(約4,100円)~

日本酒・獺祭も味わえる本格和食

本格的な和食料理が食べたいなら、レストラン「ROBATAYAKI」へ。山口のお酒・獺祭(スパークリングも!)や北海道の男山など渋い日本酒のセレクトに、「本日のおすすめ」として用意された刺身や魚料理など、ここまできちんとした和食レストランもなかなかお目にかかれない。お正月には門松も立てられたそうだ。

落ち着いた雰囲気の中で日本酒やお造りなどを味わいたいなら「ROBATAYAKI」へ

「チュアン・スパ」。五行は「金・木・水・火・土」からなる

また、中国伝統の五行思想を取り入れた施術が人気の「チュアン・スパ」では、約60種のトリートメントから各自の体調に合わせた施術をしてくれるのだそう。41階からの眺望を楽しみながら、心身ともに芯から癒やされそうだ。現在、60分のマッサージとアフタンーンティがセットになった「The Harmoniser」キャンペーンを実施している(2人で1,538香港ドル(約1万9,700円)。8月まで)。

施設・サービスのそろった由緒正しき大型ホテルなのだが、こだわりのデザイナーズホテルでテーマパークのようなおもてなしが受けられ、ちょっと他にはない充実した滞在が楽しめるのだ。

●information
The Langham Place, Mongkok, Hong Kong
料金:1,500香港ドル(約1万9,200円)+10%サービス料~