舞台『iSAMU~20世紀を生きた芸術家イサム・ノグチをめぐる3つの物語~』の製作発表会見が30日、東京・港区の草月会館で行なわれ、キャストの窪塚洋介、美波、ジュリー・ドレフュス、小島聖と原案・演出の宮本亜門が出席した。

左から、宮本亜門、小島聖、窪塚洋介、美波、ジュリー・ドレフュス

パルコ劇場40周年記念公演の同作は、彫刻を中心に幅広い分野で活躍した芸術家のイサム・ノグチを描いた作品。日本人の父とアメリカ人の母の間に生まれ、戦争と時代の変貌の中で葛藤しながら生きたイサムの人物像を3つのストーリーでつづる内容で、舞台は、8月15日から神奈川芸術劇場で、同月21日からパルコ劇場で公演予定。

主演の窪塚は、気になる存在だったというイサムを演じるにあたり「イサムさんに近づくためには、彼が見ようとした景色を僕が見に行くことが大切。イサムさんの魂と僕の魂がぶつかり合うことが着地点だと思ってる。脂汗をかきながら体当たりで頑張ってます」と話し、「一言では語れない多面性を持ってて、本当に魅力的な人。稽古に励んで、みなさんとイサムさんの橋渡しが出来たら」と意気込みを。そんな窪塚に対し、宮本は「今回は彼と一緒に"ジャンプ"したいと思ってる」と笑いを誘いつつ、「スポンジのように何でも受け入れて進んでいくピュアなところや心の奥にある炎がイサムに近い」と称した。

イサムの母・レオニー(ドレフュス)、イサムの妻だった李香蘭こと山口淑子(美波)、現代のニューヨークに住む女性(小島)という3人の女性たちのストーリーを組み合わせた同作。美波は「どういう触れ合いをしていたんだろうと考えながら稽古してる。強い魂を持った2人を本気で感じたい」と語り、「イサムの話ではあるけれど、女性3人の強さも表現された作品」と自信を持ってアピール。ドレフュスも「色んな実験をしている段階。毎日新しく作っていってる」と稽古を楽しんでいるようで、唯一実在しない人物を演じる小島は「実際に生きてきた人たちの空気をエネルギーに換えて演じていけたら」と笑顔で意気込んだ。

また、会見ではイサムが制作した草月会館内の石庭"天国"で写真撮影を行い、窪塚は「イサムさんが触れたら石が生命力やキャラクターを持つというか。そのもの本来の姿が現れる気がする。"天国"からもその空気を感じます」と感無量だった。