厚生労働省は25日、日本人の平均寿命などをとりまとめた「2012年簡易生命表」を発表した。それによると、2012年の日本人の平均寿命は男女ともに前年より延び、女性は0.51歳延びて86.41歳、男性は0.50歳延びて79.94歳となった。女性は2年ぶりに世界1位の座に返り咲き、男性も過去最高を記録した。

平均寿命は、その年に生まれた0歳の子どもが平均で何年生きられるかを予測した数値。2011年は東日本大震災の影響が大きく、男女ともに前年より縮んだが、2012年はほとんどの死因が平均寿命を延ばす方向に動いたという。

世界各国の順位を見ると、女性は、1位日本、2位スペイン(84.97歳)、3位フランス(84.8歳)、4位スイス(84.7歳)、5位韓国、シンガポール(ともに84.5歳)。男性は、1位アイスランド(80.8歳)、2位スイス(80.3歳)、3位イスラエル(80.0歳)、4位シンガポール(79.9歳)、5位日本となった。

主な国の平均寿命の年次推移(出典:厚生労働省Webサイト)

ある年齢の人が将来どの死因で死亡するか計算し、確率で表した「死因別死亡確率」について見た場合、2012年生まれの0歳児では男女ともに悪性新生物がトップとなり、その割合は男性が29.32%、女性が20.22%。次いで、男性は心疾患が14.62%、肺炎が11.87%、脳血管疾患が9.10%、女性は心疾患が18.44%、脳血管疾患が10.67%、肺炎が10.56%となった。

65歳では、0歳より悪性新生物の死亡確率が低い一方、ほかの死因の死亡確率が高くなっており、この傾向は75歳でさらに強くなっている。90歳では、男女ともに脳血管疾患の死亡確率が75歳より減少している。

悪性新生物、心疾患および脳血管疾患の合計死亡確率は、男性の0歳、65歳、75歳で半数以上となっているが、女性では0歳、65歳、75歳、90歳の全ての年齢で半数未満となっている。

前年と比べると、悪性新生物の死亡確率は、0歳、65歳、75歳の男女および90歳の男性で上昇していた。それに対して、心疾患の死亡確率は、90歳の男女および65歳、75歳の女性で低下。脳血管疾患および肺炎の各死亡確率も、男女ともに0歳、65歳、75歳、90歳の全ての年齢で減少していた。

悪性新生物、心疾患および脳血管疾患を克服した場合の平均寿命の延びは、0歳では男性が7.37歳、女性は6.17歳、65歳では男性が5.91歳、女性が4.98歳、75歳では男性が4.45歳、女性が4.13歳、90歳では男性が1.90歳、女性が2.17歳となった。