三菱重工業と東芝は24日、台湾高速鉄道の「南港延伸プロジェクト」を受注したと発表した。南港～台北間の路線(9.2km)のうち未着工部分(約5km)を手がけるもので、2016年3月開業予定。受注額は約200億円。

台湾高速鉄道「南港延伸プロジェクト」を三菱重工と東芝が受注(写真はイメージ)

台湾高速鉄道は、台湾の2大都市である台北市と高雄市を結ぶ鉄道として2007年1月に開業。現在は台北～左営間を結ぶ。東海道・山陽新幹線700系がベースの700T型を使用し、全長345kmを最速90分で走行する。開業以来、順調に乗客数を伸ばし、台湾での移動手段として必要不可欠な存在になっている。

「南港延伸プロジェクト」は、台北駅の北部に建設中の南港駅まで、既設路線を延伸する設備新設および改修工事。三菱重工はプロジェクト全体の取りまとめのほか、軌道設備や信号設備、電車線設備(架線)、データ伝送システム、電話、監視テレビなどのシステムを担当。東芝は列車運行管理システムや保守作業管理システムを統括し、さらに列車や沿線への電力供給システム、列車無線および旅客案内などのシステムを担当する。

両社の発表によれば、今回の受注は台湾高速鉄道プロジェクト(三菱重工、東芝、三井物産など日本企業7社のコンソーシアムが受注し、完成)での実績が評価されたことによるものだという。「このプロジェクトで培った先進の技術ノウハウや、高度なシステムインテグレーション能力を生かし、今後も多様な国・地域で計画されている高速鉄道プロジェクトに積極的にアプローチしていく方針」(三菱重工、東芝)としている。