「もったいない」と言う日本語は外国語に訳しづらく、一部の意味は訳せても、大きな意味まではカバーできません。ほかにも外国語に訳しづらい日本語はあるのでしょうか? 日本に住む20人の外国人に聞いてみました。

■お世話になります。台湾はこんな言い回しがないから(台湾/40代前半/男性)

■よろしくお願いいたしますなどです(フランス/20代後半/女性)

日本の社会人にとっては必須アイテムといえる言葉。口頭ではもちろん、ビジネスメールや文書でもこれらの言い回しがなかったらかなり不便ですよね。海外では具体的な意味のない文章は使わず、簡潔に用件を提示することが多いので、日本語ならではの決まり文句のようです。

■お疲れ様でしたは訳しづらいです(インドネシア/40代前半/女性)

■お疲れ様です。ありがとうとしか訳しようがありません(ロシア/20代後半/女性)

こちらも使用頻度の高いおなじみの言葉。ねぎらいのニュアンスを持つ挨拶の一種ですが、外国語ではなかなかしっくりくる言葉はないのですね。

■どうも(ペルー/40代後半/男性)

単独で使うこともあれば、どうもありがとうや、どうも納得いかないなど、組み合わせて使うこともできる自由度の高い便利な言葉ですね。外国人の方がさらりとこれを使うと、日本語お上手ですね!と言いたくなります。

■きらきら、ぺこぺこ、ごろごろなど(スペイン/ 30代前半/男性)

■日本語の擬音詞は多くて訳すのは難しいと思います(中国/20代後半/女性)

日本語は物事の様子や感情、動作、音を表す擬音語や擬態語の種類がとても多い言語なので、外国語に訳すのが困難なものが出てきてしまいます。2回繰り返す形式も特徴的なようですよ。

■「心」はドイツ語にぴったりの言葉がない場合があります(ドイツ/30代後半/男性)

ドイツ語で心はHerz。心臓・ハート型・トランプのハートも同じくHerz。日本語の「心」はそれらの意味だけでなく、精神、魂、根幹、といった要素を持つこともありますよね。その場合はたしかに何だか違うかも。

■頑張る(ブラジル/50代前半/女性)

頑張るも、どうやら日本的発想の言葉。近いものはあっても、なかなかぴたっとあてはまらないそうです。ポルトガル語だとVomos!が頑張れ!という感じでしょうか。外国語では、辛抱して!努力して!幸運を!など、その状況に応じて具体的に表現することの方が一般的なようです。

■いただきます(アメリカ/30代後半/男性)

食事の際、欧米では「さあ召し上がれ」「ありがとう」というやり取りが行われます。感謝の気持ちがあるという点では共通してますね。

■「本音」と「建て前」かな?(イタリア/30代前半/男性)

本音と建て前という文化がなければ、該当する母国語ももちろんありませんね。

■直訳できないものはいっぱいある。先輩、後輩、など(カナダ/20代後半/男性)

韓国語で先輩はソンベ、後輩はフベ、中国語でもありますが、意味が若干異なってきます。欧米諸国では日本の先輩・後輩という概念そのものがほぼありません。

最近は「カワイイ」と言う言葉がそのまま海外で使われるようにもなりましたよね。言葉は文化の中から生まれるものということを改めて実感しました。反対に、日本語にはない言葉が、外国語にありそうですね。