――「I'm a Rock star」のミュージックビデオの撮影はいかがですか?

LiSA「もうめっちゃ楽しかったですよ。これまでで一番楽しかったといってもいいぐらい楽しかったです」

――先ほども同じような言葉を聞いた気もしますが……「best day, best way」のミュージックビデオと比べるとどちらが楽しかったですか?

LiSA「楽しみ方が全然違うんですけど、『I'm a Rock star』では、この部屋は壊しちゃってもいいよって言われたので、もう子どもになった気分で思い切りやっちゃってます。ワガママな感じというか、自分の好きなように景色を描いて、自分がカッコいいと思うものを作って、やりたい放題にやる……それがすごく楽しかったです。あと、めっちゃ可愛いなって思いました」

――自分が?

LiSA「(笑)。あの映像を観たときは本当に超可愛いと思いました。すごく楽しそうでいいじゃないですか」

――今回3曲入りとなっていますが、「I'm a Rock star」は「best day, best way」に並ぶ両A面的な位置付けといってもよいのでしょうか?

LiSA「そうですね。私の中ではとっても意味のある曲だし、3枚目のシングルというのも、とてもいい時期で、とてもベストな曲だと思います」

――そして3曲目の「シロイトイキ」はちょっとクールな感じですが、こちらもLiSAさんの作詞ですね

LiSA「ガルデモから数えて丸3年、これまでにすごくいろいろな景色を見させていただいたのですが、本当に一気にいろいろな夢が叶ったイメージがあってすごく幸せなんです。たくさんのスタッフさんが傍にいて、たくさんのファンの方が傍にいて……本当に自分ひとりで生きている気がしないくらいで、そんな場所にいられるのはとても幸せなことなんだって思うんですけど、家に帰って、1人になった瞬間、すごく切なくてなぜか突然泣き出してしまったり……」

――泣き出すんですか?

LiSA「情緒不安定なわけではないんですけど(笑)、すごく寂しくなるんですよ。たぶんそれは、幸せだから寂しいんだと思うんです。幸せすぎて、その幸せがなくなってしまうことが怖くて寂しい。すごく幸せな帰り道だからこそすごく寂しいんだと思います。だけどそれがいつか消えてしまったとしても、自分がこうして温めていること、自分のやっていることが誰かの何かになればいいなってずっと思っていて……そのときは自分がなぜ寂しいのかがわかっていなかったので、ただ自分がやっていることで誰かの手を温められればいい、ただそれを信じていたい、そんな思いで書いた曲になっています」

――タイトルを「シロイトイキ」にしたのは?

LiSA「ちょうどこの詞を書いていたのが冬で、ライブの帰り道、心はすごく温かいのに、外はすごく寒くて、冷たくて。そのときに手を温められる存在、いつも傍にいて、さりげなくも優しい存在……それは吐く息に似ているなって。自分が息を吐く、呼吸をするぐらい自然に、誰かの傍にいられる存在になれたらいいなと思ってタイトルにしました」

――歌詞の中で、途中までは「白い吐息」という表現が、最後だけ「シロイトイキ」になっていますよね

LiSA「途中までは"手を温めるもの"という意味だけなんですけど、最後は"心を温めるもの"、"誰かの何かを温めるもの"、そんな意味合いも入っています。カタカナだといろいろな意味が込められるじゃないですか。漢字だと何かひとつのイメージに固定されてしまうような気がするので、最後だけカタカナの『シロイトイキ』になっています。なので、私が込めた意味合いとは違うイメージを持つ方もいるかもしれないですけど、いろいろな見方をしてもらえたほうがいいなって思っています」

――今回の歌詞は"シロイトイキ"がポイントになると思いますが、それ以外で気に入っている表現などはありますか?

LiSA「『白い吐息を 集めて雲作ったら 大声で泣けるような 嵐も呼んでくれるかな?』ですね。泣いてもいいんだよって。どうしていいかわからない気持ちに対する優しさ、白い吐息は優しさだったり愛だったりすると思うんですけど、それがいっぱいになって、泣いてもいいと言ってくれる場所ができればいいなって思いました」

(次ページへ続く)