――そんなパンダの着ぐるみ姿が通常盤ではジャケットになっていますが、初回生産限定盤はクール、完全数量生産限定盤は明るい感じのジャケットになっています

LiSA「初回生産限定盤は今までのLiSAに近いものになっていると思います。『oath sign』や『crossing field』などで見せてきたLiSAのイメージと言ってもいいかもしれません。一方の完全数量生産限定盤は、『best day, best way』というよりも、カップリング曲の『I'm a Rock star』がメインになっているバージョンなので、ジャケットもそういったイメージになっています」

完全数量生産限定盤のジャケットイメージ

――カップリングがフィーチャーされているわけですか?

LiSA「自分の憧れたロックスターを信じて一生懸命に走ってきて、目標にたどり着き、今は自分が誰かのロックスターになっているけど、気持ち自体は今も、昔の誰かに憧れていたときの気持ちと何も変わっていない……だから、今まで自分が信じてきたものをこれからも信じていきたい。そんな気持ちが『I'm a Rock star』には込められているんですけど、そういう意味で、完全数量生産限定盤のジャケットやブックレットはロックスター、特にLAのロックスターをフィーチャーした感じになっています」

――LAですか?

LiSA「自分が憧れている音楽ってけっこうLAにあるんですよ。その場所で自分が仕事として撮影して、ラブレターとしてCDを誰かに届けられる……自分の夢がひとつの現実になった証として、ここまで走ってきたLiSAというものをジャケットやブックレットでは表現しています」

――すごく楽しそうな雰囲気ですが、これがLiSAさんのロックスターに対するイメージですか?

LiSA「ロックスターというのは、私の中では"最高"という意味なんですよ。自分の中で憧れているロックスターは、いつでも誰にでも元気を与えられて、いつもハッピー。いつも笑っている人、いつでも元気な人、最高な人、それが私のイメージするロックスターですね」

――ブックレットではロックスターへのストーリーも表現されているわけですね

LiSA「そうですね。最初のほうの写真は、田舎から上京を夢見て出てきた少女で、化粧もすごく濃かったりするんですけど、それは『ロックスターといえばこうでしょ?』っていうイメージです。歌詞でいえば『I'll be a Rock star!』なわけですよ。自分がロックスターになるんだって意気込みだけはすごく強い。それが本当にロックスターになると、革ジャンとか基本的なアイテムは変わらないんだけど、すごくナチュラルになる。そんなイメージでブックレットは構成されています」

――それに対して通常盤のジャケットはパンダ……

LiSA「私のライブに来てくれている人なら、パンダの私を見ても『なるほどね』って思ってくれると思うんですよ。『またやってるよ』みたいな感覚だと思うんですけど、そういう意味でも"通常"ですね。私の本当の素の部分はパンダなんですよ、やっぱり(笑)」

――「またやってるよ」の感覚は大きいかもしれません(笑)

LiSA「『今日もいい日だ』の裏側で、何でも楽しんでやるのがLiSAのコンセプトだと思うんですよ。そういう点でもパンダを着ることに意味があるんです(笑)」

――さて、先に話題に出ましたカップリングの「I'm a Rock star」ですが、こちらの詞はLiSAさんと古屋(真)さんによる共作となっていますが、特に自分で気に入っている部分はありますか?

LiSA「自分の中では『星は星のまま 夢は夢のまま』ですね。何にも変わっていないんですよ、自分自身は。そのことを一言で言い表せているんじゃないかと思います。あと、こちらは古屋さんがひねって書いてくれたんですけど、『I(アイ)を宇宙のどこまでも』のところですね。この『I』には"自分"という意味と"愛"という意味の2つが掛かっていて、さらにこの部分は『I want you』って聴こえるんですよ。そういうトリック的なところも好きです」

――それは意識して歌っていますか?

LiSA「意識しなくてもそう聴こえます。その仕掛けが好きですね。もしかしたら古屋さんが私に『I want you』って言わせたかったのかもしれません(笑)。あとは『剥がれかけのパス』。これは自分の実体験として入れたかったフレーズです。ライブハウスには、自分が行きましたという意味を込めて、パスを楽屋に貼っていくんですけど、それを私もずっとやっていて、その景色が表現できたらいいなと思って歌詞に入れました。憧れている人のパスの隣に自分のパスを貼る……みたいな意味を込めてます」

(次ページへ続く)