今年4月から新章に突入し、現在の第1シーズンの物語も残すところ1話となったTVアニメ『聖闘士星矢Ω』のステージイベントが24日、東京ビッグサイトで開催された「東京国際アニメフェア2013」の中で行われた。

右から若林プロデューサー、光牙役緑川光、流田Projectの4人

ステージには『聖闘士星矢Ω』で、主人公・天馬座(ペガサス)の光牙役を演じる緑川光と若林豪プロデューサー、4月から放送が始まる第2シーズンで主題歌「未来聖闘士Ω~セイントエボリューション~」を歌う流田Projectが登壇。ステージは、緑川による光牙「輝け俺のコスモ! ペガサス流星拳!」キメ台詞とともに始まった。

緑川による生流星拳に続いて若林プロデューサーは、「役者の人と違って、かっこいいことが言えなくて、役者さんがうらやましいですが、心のコスモは負けていません」とあいさつ。放送開始からまもなく1年を迎える『聖闘士星矢Ω』だが、緑川は「当初から叫ぶとは思っていたのですが、想像以上に叫んできました。これまでもいろいろな作品に出演してきましたが、ここまでクライマックスが多い作品はありませんでした。最後は、倒れるんじゃないかってくらい大きな声を出しましたが、無事に1年間演じることができました」とこの1年を振り返る。若林プロデューサーは「まだ、絶賛作業中なので言っていいのかわかりませんが、1年目の最後ということでいろいろと仕掛けを用意しています。そのために、先日、第1話からすべてを見なおしたのですが、あっという間でした。最終的には、光牙の成長の物語だったんだなと思います」と話し、第1シーズンのラストにも何らかのサプライズがあるのかもしれない。

緑川の選んだ印象に残ったバトル第1位は、1年間の集大成となる最終話

この1年間の放送の中から緑川の印象に残ったバトルから3つを紹介する「緑川光が選ぶ! 印象に残ったバトルTOP3!」では、第3位が第20話「アリアのために! エデン、怒りの雷撃!」、第2位が第27話「旅の終焉! 少女の光と若者たち!」、そして第1位には来週放送の第51話「輝け光牙!! 光と闇の最終決戦!」というベスト3に。第1位と最終話を選んだ緑川は「これを選べば、もしかしたら少しだけ流してもらえるかなと思ったんですけど、ダメでした」、新生聖衣(ニュークロス)編」は「流したいんですけど、絶賛制作中なので」とつぶやいたが、「少しだけでも話せる内容はないですか?」という司会からの粋な質問が。すると、緑川から「普段の倍以上のカット数です。激しく動いています。アフレコをやっていて、普段も大変なんですが、最終話は本当に展開が早く大変でした」と最終話のアフレコの様子がほんの少しだけ明かされた。

4月からの新章で、光牙が身に付ける天馬座(ペガサス)クロスの新デザイン

そして話題は、4月からスタートする新章「新生聖衣(ニュークロス)編」へ。新章に臨むむにあたり、緑川は「最近は1年ものの作品が少ない中、1年ものの作品で仕事をさせていただけるのは、奇跡に近いのでうれしいです」と喜ぶも若林プロデューサーからは「叫んだり、苦しんだりする回がたくさんありますので、期待しています」とプレッシャーがかけられる。新章では、そのタイトルが示すように「聖衣」(クロス)のデザインがリニューアルされるが、今回は光牙が纏う天馬座(ペガサス)のカラー設定資料もお披露目。スクリーンに映し出された光牙の新聖衣とオブジェ形態を今日はじめて目にしたという緑川は「初代『聖闘士星矢』にはオブジェ形態があり(『聖闘士星矢Ω』にはなかったので)ちょっと寂しいなと思っていました。うれしいです! おもちゃ好きとして、フィギュア化されたらいいなと思います」と早速フィギュア化を切望していた。

ニュークロスの発表に続いては、新主題歌のお披露目で、4月からの新オープニングを歌う流田Projectがステージに登場。主題歌について流田豊は「昔から見ていた、この神話のなかで自分たちが歌わせていただけるということで、心のコスモがいっぱいです」と述べ、主題歌「未来聖闘士Ω~セイントエボリューション~」を初披露。今回上映されたのは、4月からのオープニング映像ではなく、プロモーション映像版となっており、新オープニングは4月の放送開始までのお楽しみとなる。

「未来聖闘士Ω~セイントエボリューション~」に合わせて制作された特別仕様のマスク(写真左)

プロモーション映像の上映が終わってみると、流田の仮面が『聖闘士星矢Ω』仕様の特別版に。この仮面は流田の手作りであり、「未来聖闘士Ω~セイントエボリューション~」を歌うときだけ、許してもらえないかと提案して実現したという。提案を受けて原作者の車田正美に許可をもらうために、自ら伺った若林プロデューサーは「俺がオッケーをとるのか…これを車田先生に見せるのか、自分で線を引き直そうかと思いました」と、当時の心境を振り返っていた。

海外版『聖闘士星矢Ω』のロゴ。スペイン版は手違いで『聖闘士星矢』のものとなっていた(写真右)

新オープニングを聞いた緑川は「4:00くらいに寝て、6:00くらいに起きて、放送を見ているのですが、この曲がかかれば、目が覚めます。テンションが上がります」と太鼓判。そしてステージの最後には、来週最終話を迎える『聖闘士星矢Ω』がフランスを始めとした海外放送が決定したという重大発表。放送が決定しているのは、フランス、スペイン、ポルトガル、台湾の4カ国で、各国のロゴも発表され、大盛況イベントは終了となった。

(C)車田正美/東映アニメーション・テレビ朝日・電通