北川景子が笑顔の裏で毒づく腹黒教師を演じて話題となった連続ドラマ『悪夢ちゃん』。SFやファンタジー、ホラーなどの要素が入り交じった独特の世界観と、作中に登場するユニークなキャラクターが人気を呼び、昨年10月期に放送された際に好視聴率を記録した。その待望のDVD・Blu-ray BOXがついに発売を迎えた。

●他人の悲惨な未来を夢に見てしまう少女●

武戸井彩未(北川景子)は、明恵小学校5年2組の担任を務める教師。同僚の教師の間では生徒想いの理想的な先生として通っていたが、実際は生徒たちに微塵も愛情を感じておらず、笑顔の裏で毒づく腹黒い一面を持っていた。

そんなある日、彩未のクラスに古藤結衣子(木村真那月)という少女が転校してくる。結衣子は他人の無意識とつながって、その人に起こる悲惨な未来を夢見てしまうという能力を持っていた。彼女は転校してくるなり彩未に「学校に来る途中にある家のおばあさんが燃えちゃうの」と助けを求める。冗談か何かだろうと思いつつも気になった彩未は、その家を訪れておばあさんの健在を確認する。しかし、それからしばらく後にその家で心中事件が起こり、老夫婦が焼死してしまう。

自分が見た夢の通りに悲惨な事件が起こったことにショックを受けた結衣子は、それ以降自宅にこもって学校に出てこなくなる。彩未は結衣子と話をするために彼女の家を訪れるが、そこで自分の夢に現れる理想の王子様、“夢王子”にそっくりな志岐貴(GACKT)に出会う。彼は結衣子の祖父、古藤万之介(小日向文世)の助手だった。

万之介は、両親のいない結衣子にとっては親代わりの存在だった。大学で夢の研究をしているという万之介によれば、結衣子は予知夢を見ることができるが、夢の中では人物や出来事が象徴的なものに置き換えられることが多いという。そのため正しく夢を解釈することが重要になるが、万之介はその夢判断を彩未にしてほしいと頼み込む。そして彼が開発したという夢を映像に記録する装置を使い、結衣子が最近見た悪夢を彩未に見せる。それは、彩未が自分のクラスの生徒を殺すという内容だった…。

●果たして予知夢で見た未来は変えられるのか!?●

誰もが見るものでありながら、いまだにそのメカニズムが解明されておらず、未知の部分が多い“夢”。本作は、その夢を主なモチーフにしたファンタジックな連続ドラマだ。

各エピソードは、結衣子が見た悪夢が暗示する未来を、いかに解き明かしていくかがひとつの見どころとなっている。というのも、夢の中では人物や出来事が象徴的なものに置き換えられるため、必ずしも夢がそっくりそのまま具現化するわけではないからだ。実際、作中で結衣子が見る夢にも、前半身が鷲で後半身が馬というヒッポグリフや、アイルランドの妖精バンシー、アザラシの妖精セルキーなど、想像上の生き物たちが登場する。それらが意味することを推理して、なんとか明るい未来に変えようとするストーリーは、謎解きとサスペンスをミックスしたような展開でドキドキハラハラさせられる。

作中には、ほかにも彩未の夢に現れる夢王子や夢獣(ゆめのけ)などのユニークなキャラクターも登場する。また現実世界でも、腹黒い彩未や、生まれつき前髪の一部が白い結衣子、彩未に「フィギュアっぽい」と言われる志岐貴、少し屈折した性格を持つ養護教諭の平島琴葉など、個性的なキャラクターが勢揃い。彼らが織りなすコミカルな人間模様も、ストーリー展開の上で重要な要素になっている。

さらに、作中には彩未の本性を見抜いてサイコパスだと糾弾する謎のブログも登場。またストーリーが進むにつれ、彩未の意外な過去も少しずつ明らかになっていく。そして、こうしたさまざまな要素が複雑に結びついて驚愕の結末へと結びついていく。「単なる学園ドラマでしょ」と侮っていると痛い目にあうかも!?

ちなみにドラマのタイトルにもなっている“悪夢ちゃん”とは、教師の武戸井彩未が生徒の古藤結衣子につけたニックネームのこと。他人の悲惨な未来を夢で見てしまうからという安直な理由によるものだが、話が進むにつれて“悪夢ちゃん”というタイトルに込められた“もうひとつの意味”が明らかになってくる。こうした、まるで多重夢のような多層的な構造も、本作の大きな魅力になっている。

●北川景子の腹黒演技がリアル! GACKTも好演!●

主人公の彩未先生に扮しているのは、映画やドラマ、CMに引っ張りだこの北川景子。笑顔の裏で生徒や同僚の教師に毒づく腹黒教師を好演している。途中から開き直って本性をさらけ出すようになり、それまでの表の顔と180度異なるキャラに変貌するが、その演じ分けも見事だ。

その彩未の夢の中に登場する夢王子と、現実世界の志岐貴を演じているのがGACKTだ。彩未に「フィギュアっぽい」と言われるキャラを、持ち前の謎めいた表情と美声でコミカルに演じている。

このほか、タイトルロールの悪夢ちゃんを演じる木村真那月、その祖父の万之介役の小日向文世、彩未をことあるごとに「サイコ先生」と呼んで本性を暴こうとする保健室の先生を演じる優香など、個性豊かな顔ぶれが集結しており、本作のちょっとシュールでキッチュな作品世界を盛り上げている。

なお、本作は最終話のラストで古藤結衣子に関わるある人物がちらっと登場する。テレビ放送で見た人なら、誰がそれを演じているのかが気になっているはず。ぜひDVDやBlu-rayで見返して、着ている服や口元などから推理してみてほしい。きっと、それが誰か確信を持てるはずだ。

■基本情報
【キャスト&スタッフ】
脚本:大森寿美男
原案:恩田陸「夢違」(角川書店)
出演:北川景子、GACKT、優香、木村真那月、小日向文世
主題歌:「サラバ、愛しき悲しみたちよ」ももいろクローバーZ
チーフプロデューサー:大平太
プロデューサー:戸田一也、千葉行利、大塚英治
演出:佐久間紀佳、猪股隆一、菅原伸太郎
制作協力:ケイファクトリー

■Blu-ray&DVD情報
発売日:2013年3月20日(水)
価格:24,150円(Blu-ray)、19,110円(DVD)

■キャンペーン情報
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