その国の歴史と伝統の象徴のひとつである民族衣装。日本では着物がそれに当たりますが、ほかの国はどうなのでしょう? 日本に住む20人の外国人に、母国にも伝統衣装があるのか、また、どんな時に着るのか聞いてみました。

■ある。お正月、お盆など。結婚式などで着る(韓国/女性/30後半)

韓国の伝統的な衣装と言えばチョゴリ。男性用がパジチョゴリ、女性用がチマチョゴリです。チョゴリは男女共通の上衣(うわぎ)、パジが幅広のズボン、チマが巻スカートに当たります。上記以外では、子供の1歳の誕生日「トルチャンチ」の時に着るそうです。

■あります。結婚式や卒業式などに着ていました(インドネシア/男性/30代前半)

インドネシアの民族衣装は年齢、性別、部族によって異なります。女性用のものはサロンクバヤといい、鮮やかな色や刺しゅうが施されたブラウスのような上衣グバヤに、下にはサロンを巻くのが基本形。インドネシアに行けば即日で仕立ててくれるお店があるので、短期間の旅行でもチャレンジすることができますね!

■はい、あります。普段でも着ています(ラオス/女性/20代後半)

ラオスの女性用民族衣装、シン。大きな筒状のロングスカートで、現在も日常生活で広く着用されています。学校の制服としてシンの着用が義務付けられていることも。この衣装は多少の身体のサイズは気にせずに使えるところが、着物と似ています。

■サウンドオフミュージックの中に出てくる衣装が民族衣装です。パーティー、結婚式などで着ます(ドイツ/男性/40代前半)

お嬢さんという意味を持つ、ドイツの女性用民族衣装ディアンドル。ドイツ南部からオーストリアのチロル地方にかけて広く着られています。サウンドオブミュージックの舞台は、オーストリアのザルツブルクでしたね。エプロンをつけたような衣装でかわいらしい! 男性用はつり革ズボンのレーダーホーゼ。今でもオクトーバーフェストなどで、頻繁に着用されているそうです。

■あります。文化祭りで着ます。伝統的な踊りサークルは、伝統的な服を着ながら踊るのが普通です(ギリシャ/男性/30代前半)

男性はフスタネラというひざ上のプリーツスカートに幅広の袖のシャツ、細身のベスト、房の付いた帽子と靴を着用します。女性もやはり幅広の袖のブラウスにベストや長袖の上着を着て、カラフルな刺しゅうのスカートをはき、ベールやつばのない帽子をかぶります。民族衣装で踊る姿を見て、その衣装のかわいさのファンになった日本人もいるみたいですよ!

■あるのですが、現在誰も着ていません。テレビでたまに見る場合がありますが、お祭りや子供向けのドラマとかで着る人を見ます(ロシア/女性/20代前半)

サラファンというジャンパースカートのようなロシアの女性用民族衣装。現在はお祭りでパフォーマンスをする人ぐらいしか着ないそうで、結婚式などの儀式では誰も着ないそうです。ほかには下記のような意見がありました。

■あります。毎週金曜日のイスラム教の集団礼拝の日や、結婚式やイスラムの犠牲祭、断食が終わる日などに着る(マリ/男性/30代前半)

■ありますが最近は誰も使いません。イラン式のイベントでも様式のドレスなどを着ます(イラン/女性/20代後半)

■お祭りの時にしか見たことがありません。日本の着物のように着るものではないと思います(イタリア/男性/30代前半)

伝統な衣装はあるが祭りなどのイベントでしか着ない、という意見が目立ちました。また、欧米よりもアジアの方が民族衣装を着る機会が若干多いようです。ラオスのシンにはかないませんが、着物もわりと着る機会が多い伝統衣装と言えるかもしれませんね。