女優の堀北真希、俳優の松田龍平、余貴美子らが出演する映画『麦子さんと』が、今秋より全国公開されることが22日、明らかになった。

映画『麦子さんと』に出演する堀北真希(中央)、松田龍平(右)、余貴美子

堀北が演じるのは、声優を目指すオタク女子・麦子。亡くなった母・彩子(余貴美子)の納骨のために田舎に訪れた麦子は、かつての母がその街でアイドル的存在だったことを知らされる。彩子にそっくりな麦子の登場に、色めき立つ街の人々。麦子にとっての彩子は、自分と兄・憲男(松田龍平)を置いて家を出て行った最低の母親だったが、街の人々を通して母に触れることで、それまでとは違った感情が芽生えはじめる。

2年ぶりの主演作となる堀北は、役柄について「母との再会、そして永遠の別れを通して一歩大人になる、その過程の複雑な感情を思い描きながら演じました」と語り、撮影を「監督からドキュメンタリーみたいな自然なお芝居でと言われ、とても難しかったですが、大げさにならず、見ている方に感情移入してもらえるよう頑張りました」と振り返っていた。兄役を演じた松田については、「本番へ向けてのお芝居の作り方が独特で、勉強になりました」と役者として刺激になったようで、かねてより憧れていたという余貴美子との共演については、「今回親子という設定でお芝居ができてうれしかったです」と喜んでいた。

一方の松田は、「家族の話ですし、実際に妹もいるので、共感できる部分があって、楽しかったです」と語り、「兄妹の関係性をイメージできたので、演じていてやりやすかったですね」と堀北との共演を思い返していた。余は、劇中で亡くなってしまうこともあり、「(堀北と)実際に共演する時間も短かったのですが、もうちょっとお話したかったですね(笑)」と少々寂しそうだった。

監督は、今年の秋に『ばしゃ馬さんとビッグマウス』の公開を控える吉田恵輔。構想に7年を費やし脚本も手掛けた。撮影は、1月23日にクランクイン。山梨県都留市ほか都内近郊でロケを行い、2月16日にクランクアップした。