楽器を演奏する人やバンドを組んでいる人なら、誰しも「大きな音でおもいっきり練習したい!」という願望を抱いたことがあるだろう。ただ、家ではアンプにつなぐことは難しいし、音楽スタジオは料金が高い。特に初心者には、スタジオは敷居が高いのではないだろうか。

そんな「練習場所がない!」という多くのアーティストたちの悩みに応えるべく、なんとエフェクターもチューナーも不要で楽器演奏がデキてしまうという、業務用通信カラオケの最新機種「JOYSOUND f1(ジョイサウンドエフワン)」が登場……!そんな噂を編集部では聞きつけた。

JOYSOUND f1

しかし、「カラオケボックスで楽器演奏?」ちょっと想像がつかない。 そこで、「JOYSOUND f1」でどこまで本気の楽器演奏ができるのか?を検証するため、ヴィジュアル系バンド「Moran(モラン)」にお声がけし、ギターのSizna(シズナ)さん、ベースのIvy(アイヴィー)さん、ドラムのSoan(ソアン)さんに、実際のカラオケ店舗で「JOYSOUND f1」を試してもらった。今回はその様子をレポートしたい。

Moran(モラン)のメンバーの中から、左からIvyさん(B)、Soanさん(Dr)、Siznaさん(G)

楽器を接続するだけで、演奏できた!

用意されていたのは、一見ごく普通のカラオケ機材。しかし外付けの小さな機械に楽器を接続する端子が2つ用意されており、ギターやベースをつなぐことができるという。さっそく、普段使用しているギターとベースを接続し、音を出してもらった。

――音の感触はどうですか?

Siznaさん:「スタジオの音ですね」
Ivyさん:「たしかに」
Soanさん:「ドラムとか、他の楽器も使えるんですか?」

――電子ドラムやキーボード、エフェクター、ミキサーを接続することもできるんですよ。

Soanさん:「なるほど。それは便利っすね!」

続いて、演奏前に必要なチューニング。「JOYSOUND f1」にはチューニング機能も搭載されている。モニター画面を見ながら、ギターやベースのチューングをすることができるのだ。

大きなチューナー画面を見ながら、ギターをチューニングするSiznaさん。「半音下げにしてみようかな」など音程の調整をいろいろ試していた

――楽器のエフェクトはどうしますか?HARDROCK、PUNKROCK、BLUESなど12種類の中から選べるみたいですよ。

Siznaさん:「BOSSのエフェクターも付いてるんだ。じゃあ、今回は軽めのBLUESでいってみようか?」
Ivyさん:「オッケー!」
Soanさん:「じゃあ、俺は電子ドラムで参加するわ!何の曲から合わせる?」

12種類の中からエフェクトを選べる「楽器エフェクト」 楽曲がスタートすると、歌詞と共にコードが表示される

――まずは、ウォーミングアップに他の人の曲はどうでしょう?「ギタナビ」という機能なら、カラオケに合わせてコードが表示されるので、弾いたこともない曲も即興で演奏できるんですよ。

Ivyさん:「じゃあ、カラオケに行くと歌う“残酷な天使のテーゼ”とかどうよ?」
Siznaさん:「アニソンいいね(笑)やってみよう」
Soanさん:「なんか、カラオケじゃない空間みたいだね」

演奏をしてみると意外にもコード展開が激しい曲だということが分かる。

初めて弾いたという「残酷な天使のテーゼ」を真剣に演奏するSiznaさんとIvyさん

Siznaさん:「なかなか難しいんだな、この曲・・・」
Soanさん:「音がずれてきてるよ(笑)中止!中止!(笑)」

――普通は譜面を見ながら、演奏していくと思うんですが、こんな形で曲をコピーする感じはどうですか?

Soanさん:「家だと大きな音はさすがに近所迷惑になるし、スタジオはお金がかかる分、時間に限りがあるから、こうやって遊びながら大きな音で演奏できるのは良いと思いますね」

Moranの楽曲を、本人たちがカラオケで生演奏!

「JOYSOUND f1」がプロのミュージシャンの目から見ても使いやすいのか?を検証をするためには、やはり何度も演奏を重ねてきているMoranの曲を本人たちに試してもらうのがいちばん。 そこで、スピード感あるメロディラインが印象的な「ロアゾ・ブルー」を演奏してもらった。

はじめは、カラオケのガイドメロディーの音に戸惑いながらも、徐々に楽器の音量とカラオケコーラスの音量のバランスを調節。ギター、ベース、ドラムの音とバックで流れるカラオケの音が重なり合い、カラオケルームがライブ会場のような雰囲気に変わっていくのを感じた。その演奏の様子はぜひ動画をご覧いただきたい。



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