7月21日、パシフィコ横浜にて「地域活性たからいち in 横浜」が開催された。同イベントは日本青年会議所(以下「日本JC」)がサマーコンファレンス2012に合わせて開催。全国から集まったグルメやものづくり技術、観光資源などの"地域のたから"をブースやステージイベントを通じて紹介した。

全国各地から出展されたブースが並ぶ会場

"地域のたから"とは?

"地域のたから"は、地域産品やものづくりなどの技術や観光資源など、その地域にしかない、その地域ならではの資産を「たからの原石」とし、地域や全国に発信しようとする意識から生まれた。

日本JCは地域活性化の取り組みとして、地域に眠る資産の原石を磨く数々のアプローチを行っており、"地域活性たからいち"もその一つである。この日は北海道から沖縄まで、日本全国から54ブースが出展された。

出展全ブースから「飲食」「物販」「まちづくり」の3部門を切り口にそれぞれ1位から3位を選出。さらにその中から今年度の「たからいちグランプリ」が決定された。

岩手県久慈市の山のきぶどう・地サイダーを笑顔でアピール

"地域のたから"が世界へはばたく第一歩に

各地方が疲弊している中で、どうやって地域を活性化させていくのか。自分の地域には何もない、どうやって活性化していったらいいのか。そんな課題を抱えた地域も少なくない。

これに対し、「そんなことはない、そこからスタートしていくのがこの"地域活性たからいち"であります」と日本JC第61代会頭・井川直樹氏。

人が住み、長い歴史の中にきっと何らかの「たからの原石」がある。その「たからの原石」を「地域のたから」へと昇華させていく、磨き上げていく、さらには世界で通用するグローバルリソースへと磨き上げていく。

そんな第一歩となるのが、この"地域活性たからいち"であると位置づけているという。

"地域活性たからいち"の展望を語る井川氏

たからいちグランプリ決定!

たからいちグランプリ決定に先立って、3部門での1位から3位が発表された。

飲食部門の3位は神奈川県平塚市の「あじな!Baby」が受賞した。「湘南しらす」を使用したバンズは、地元のパン屋によって焼かれたもの。それに地元のしらす・アジ・レタスを挟み、バーガーとして提供している。

2位は埼玉県狭山市の、狭山産さといもの"親芋"を材料にした「さといもコロッケ」。クリーミーな味わいが特徴で、ソースをかけなくても美味しく食べられるという。

1位は宮城県女川町のソウルフード「あげかま」が受賞した。同品は津波で8割が壊滅した同町で、震災直後に約15万枚がアツアツの状態で配布されたという。復興にかける女川人の心意気を込めた一品が飲食部門のトップに輝いた。

飲食部門の1位を受賞した宮城県女川町のあげかま

物販部門の3位は沖縄県那覇市の「黒糖アガラサーミックス」。伊平屋村の黒糖を使用した"アガラサー(蒸しカステラ)"を手軽に作れるミックス粉で、同村の「伊平屋村元気プロジェクトチーム黒糖」の第一弾商品である。

2位は静岡県静岡市の「丸子紅茶」。日本の紅茶発祥の地でとれた同品は、香り・水色(すいしょく)・渋みのバランスがよく、紅茶の製法は国内外の紅茶生産者からの注目を浴びているという。

1位は長野県の「新松本・安曇野宝かるた」が受賞した。松本広域圏の自然・食・文化・建造物等の観光資源・地域資産を「かるた」にしたもので、子どもたちが地域の宝への認識を深めるとともに、地域外に情報発信できるかるたを目指したという。

会場で一番大きなブースを展開した「新松本・安曇野宝かるた」

まちづくり部門の3位は青森県八戸市の市民と協力して制作した絵本「『ウーとスー』~なかよしになるために~」。蕪島を舞台にして展開される物語を通じ、郷土愛を育みながら親子間や地域でのコミュニケーションにおいて、挨拶の大切さや思いやりの心を育むことを目的とした作品だ。

2位は青森県弘前市の、地元ガイドと一緒に町中を歩いてめぐる「ひろさき街歩き」。弘前城・武家屋敷など、城下町の面影と、明治・大正のハイカラな西洋建築が共存する街の魅力を、ガイドツアーによって紹介している。

「"ひろさき街歩き"は地元でテレビ番組も放映され盛り上がっている」と語る路地裏探偵団・小笠原氏

1位は秋田県大仙市の、全国花火競技大会「大曲の花火」が受賞した。長い伝統を持つ同大会は今年で86回を迎える(8月25日開催)。毎年70~80万人の観光客を国内外より動員している、世界一の花火大会だという。

3部門総合のたからいちグランプリは、物販部門1位の「新松本・安曇野宝かるた」が受賞した。

受賞の喜びに沸く出展者たち

地域に住む人々全員で作り上げたかるた

たからいちグランプリを受賞した「新松本・安曇野宝かるた」を出展した、松本青年会議所の大蔵俊介氏に話をうかがった。

「もともと制作したのは3年前ですが、それより30年前のちょうど僕らが子どもの頃に、父親たちの世代が『松本かるた』というものを作っていまして、それに親しんでいました。

3年前に平成の大合併の時期に、松本を含め安曇野も合併によって広がりましたので、せっかくだから範囲を広げた中で"宝"というものを見直してみようというきっかけで始まりました」。

制作の過程で「まつもと広域圏の宝千人アンケート」を実施し、将来にわたりこの地域で大切にしたい地域資産の抽出を行ったという。そこで抽出された地域資産を題材にした句を一般公募し、集まった400を超える句の中から46句を選出。絵札は信州で活躍する切り絵作家・柳沢京子氏が一枚一枚を生き生きとした作品に仕上げた。

また、かるたの裏面は地域マップのパズルとして遊べるようにし、地域の宝の場所を覚えることもできる。

たからいちグランプリは「新松本・安曇野宝かるた」が受賞した

今年で3年目を迎える"地域活性たからいち"は、ブランド化を進め、さらに出展を増やしていくことで地域の活性化と発展を目指している。次回は今年の10月に北九州での開催が予定されている。

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