――大統領選の裏側をよく御存知のウィリモンさんが、今年の大統領選を勝ち抜きそうだと思う候補者はズバリ誰ですか?

ウィリモン「選挙スタッフとして働いていたときに『予測は不可能だ』と身を持って学んだので、予想は難しいのですが(笑)、共和党に関してはおそらく最終的にロムニーとギングリッジの戦いになるでしょう。今はまだどちらが優勢になるか明言するには早すぎますが、きっと3月6日のスーパー・チューズデーで決定的になると思います。ただ、ハッキリと言えることは、誰が共和党の代表候補になったとしても、オバマとの戦いはかなり接戦になるということ。オバマは色々な公約が達成されておらず、評価も下がってきていますが、カリスマ性やインスピレーションでは未だ非常に評価が高いですからね」

――『スーパー・チューズデー』を観ても分かるように、大統領選は候補者自身の資質だけでなく、選挙スタッフの能力も重要です。彼らが優秀かどうかを見極める上で、注目すべきポイントを教えて下さい。

ウィリモン「候補者もスタッフも優秀だと判断する材料は、メッセージがハッキリ簡潔に伝わってくるかどうか。そのいい例として挙げられるのは、2008年の大統領選でオバマが掲げた『Hope』と『Change』という言葉ですね。これらはとても曖昧な言葉なのですが、オバマが言うとなぜか国民は胸を打たれ、信じたくなったんです。メッセージが簡潔に伝わること=ちゃんとコミュニケーションをとっているということ。選挙は有権者とコミュニケーションをとることですから、そこがいちばん重要だと思います」


現在、デビッド・フィンチャー監督と組んだケヴィン・スペイシー主演ドラマ『House of Cards』の執筆に取り掛かっているウィリモン。1990年にイギリスBBCで放送された同名タイトル作品のリメイク版となる本作では「ワシントンD.C.を舞台にした、もっとダークな政治の話を描く」そうだ。「これは面白くなると思いますよ」とウィリモン。今年は大統領選の行方とともに、ウィリモン氏が次々と抉り出す政治の裏側に注目したい!