炊飯器の「保温」を活用

東日本大震災の影響で納豆が品薄になっていた昨春。品薄ならば自作しようということで、納豆の自作記事を小誌にて掲載した。水につけた大豆を鍋でコトコト3時間煮込み、30℃~45℃をキープしつつ12時間。今度は常温で丸一日。これで納豆の完成となるわけだが、ふと思った。炊飯器の「炊飯」で大豆を煮て、「保温」で発酵させれば……。早速、炊飯器での納豆づくりに挑戦してみた。

使用するのは乾燥大豆250g。タネ菌になる納豆は、乾燥大豆の大きさに合わせて大粒ものを選んだ。材料はこれだけ。

乾燥大豆はきれいに洗って炊飯釜に入れ、3倍量の水を入れて炊飯器にセット。今回はこの作業を行ったのが夜だったため、7時間後の朝に炊けているよう、タイマーセットをしておいた。ここで、水をたくさん入れすぎてしまうと、炊飯中に炊飯器から湯があふれ出してくるので注意したい。

乾燥大豆を水に浸すと、次第に豆が大きくなっていく

タイマーセットで炊き上がった大豆。ちょっと下のほうは焼き色がついてしまっていたが、構わず続行

朝起きて炊飯完了の炊飯器を開けると、ふっくら火が通った大豆が。水分がまったくなくなっていて、ほんの少し下のほうに焼き色がついてしまっていたが、気にせず、タネ菌となる納豆1パックを投入。菜箸で全体を混ぜ合わせ、再び炊飯器にセットして「保温」コースを選ぶ。

立ち上る湯気に失敗の予感

約12時間後、夜に帰宅すると部屋に漂う発酵臭。「換気扇をつけたまま外出すればよかった」と若干後悔しつつ、窓を全開。炊飯器を開けると……ふわっと湯気が立ち上る。保温コースと言っても予想以上の熱を持っていたようで、「これは納豆菌、死んじゃってるな……」と失敗を覚悟する。だが、よく見ると大豆全体にうっすらと白い膜が。一粒食べようとすると、ネバ~ッと糸を引く。味自体はうっすら納豆の味がしつつ、大豆の味が強い。

約12時間「保温」したあとの状態。うっすらと白い膜が

冷蔵庫で寝かせると「納豆」に!

「やっぱり失敗かな」と思いつつ、ダメもとで冷蔵庫で寝かせることに。大豆を別の容器に移し、ラップをかけて冷蔵庫に入れる。ラップには爪楊枝などで2~3カ所穴をあけておいた。そのまま丸一日寝かせると……。納豆になっていた。箸でかき混ぜると、冷蔵庫に入れる前より粘り気が強くなっている。味わいも、ちょっと大豆の味が強い納豆、といった感じ。

完成した納豆。ネバ~ッと糸を引いているのがわかるだろう

大量にできた納豆で、納豆ごはん、納豆オムレツ、麻婆豆腐with納豆(コクが出ておいしい! )、納豆のかきあげを堪能。自分でつくれば大豆の産地や品種もわかる。ちょっと部屋はにおうけれど、納豆自作にハマってしまうかも!!

※炊飯器の機種によっては米の炊飯以外の使用を禁じているものもあるので、取扱説明書をチェックしてください。

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