JR東日本は7日、蓄電池駆動電車システムを採用したクモヤE995形「NE Train スマート電池くん」(以下「スマート電池くん」)の実用性を確認する試験の実施を発表した。非電化区間である烏山線で、2月および3月に充放電試験と走行試験を行う。

大容量の蓄電池を搭載した「スマート電池くん」。最終的な確認試験を烏山線などで行うことに(写真はJR東日本提供)

蓄電池駆動電車システムは、車両に大容量の蓄電池を搭載し、非電化区間の走行を可能にするというもの。気動車のエンジンから発生する排気ガスを解消し、二酸化炭素と騒音の低減をめざす。

「スマート電池くん」では、架線からパンタグラフを介して蓄電池へ充電し、架線と蓄電池の一方または両方からモーターを駆動、さらに回生ブレーキの電力も蓄電池に充電できるというシステムに。これまでは車両センター構内や電化区間を中心に走行試験が行われてきた。今年度は施策した充電設備による急速充放電試験や、蓄電池を座席の下に収納しての走行試験も行われている。

2~3月に行われる試験では、烏山駅に試験用充電設備を仮設し、「スマート電池くん」は東北本線(宇都宮線)小金井~宝積寺間と烏山線宝積寺~烏山間を走行。非電化区間での走行試験と急速充電を組み合わせ、実運用に近い条件で、最終的な性能・機能確認試験を行うとのこと。試験はおもに定期列車の営業時間外に行われる。