電撃文庫(アスキー・メディアワークス刊)の人気ライトノベル『C3-シーキューブ-』(原作 / 水瀬葉月、イラスト / さそりがため)がついにTVアニメとなり、2011年10月より放送開始となった。

TVアニメ『C3-シーキューブ-』はチバテレビ、TOKYO MXほかにて放送中

■TVアニメ『C3-シーキューブ-』ストーリー概要
とある古びた一軒家で一人暮らしをしている高校生・夜知春亮。
ある夜、台所からの怪しい気配に目を覚ましてみると、そこにいたのは全裸の煎餅泥棒女で!?
フィアと名乗るその少女曰く、自分は「呪われた道具」であり、
その呪いを解くために夜知家を訪れたという。
呪いを受けつけない体質の春亮は押しかけ気味なその少女と同居することになるが、
それがすべてのはじまりだった!
二人は同じく同居人のこのはとともに、
呪われた道具を崇めたり知ろうとしたり破壊しようとする様々な組織と戦うことになるが――。

監督・大沼心氏×アニメーション制作・SILVER LINK.といったTVアニメ『バカとテストと召喚獣』シリーズを手掛けたコンビがタッグを結成した本作。キャラクターデザインも『バカとテストと召喚獣』の大島美和氏が担当しているほか、シリーズ構成は『戦場のヴァルキュリア』や『侵略! イカ娘』の横手美智子氏が務める。

メインキャスト陣&大沼監督が語るTVアニメ『C3-シーキューブ-』

そこで今回は、第1話放送後に行われたアフレコ収録において、フィア役の田村ゆかり、夜知春亮 (やち・はるあき)役の梶裕貴、村正このは (むらまさ・このは)役の茅原実里、上野錐霞 (うえの・きりか)役の喜多村英梨といったキャスト陣と大沼心監督が語った作品の魅力について紹介しよう。

――まずはご自身が演じるキャラクターおよび、演じるうえで心がけていることについて教えてください

茅原実里「村正このは役の茅原実里です。このはちゃんは三つ編みをしていて、眼鏡っ子で胸が大きくて、お肉が大好きなキャラクターです(笑)。春亮君の家の離れに住んでいて、同じ高校に通っているお姉さんキャラで、ちょっとポワンとした、包容力のある女の子です。春亮君のことを好きだと思うんですけど、なかなか想いが届かず、という感じですね。見ていると、すごく好きなんだなぁというのが全面に伝わってきて、女性の私から見ていても可愛らしいなと思います。普段はおっとりした可愛らしい女の子なんですけど、戦闘シーンではカッコいい面が出せるよう、そのバランスが難しいなと思いながら演じています」

梶裕貴「夜知春亮役の梶裕貴です。春亮は呪いを受けないという特異体質なのですが、それ以外の部分は、本当に普通の高校生で、心優しい青年です。台本を読んでも、演じていても、本当に優しい人だな思うので、その優しさの部分が押し付けがましくならないように、観ている方が春亮に共感できるよう、爽やかに演じていければいいなと思っています。この作品はとてもスピーディーで、シリアスな部分とコメディの部分が結構ごちゃ混ぜになることがあるのですが、その辺を自分の中でうまく切り替えて演じられれば、この作品の魅力が出てくると思うので、そこも意識して演じています」

田村ゆかり「フィア役の田村ゆかりです。"呪われた道具"というのがこの作品にはたくさん出てくるのですが、私の演じるフィアは、おそらく"キングオブ呪われた道具"みたいな感じの子です。おもに人間の姿で出てきてはいるのですが、私が思うフィアは、生まれたばっかりの子どものような印象が強く、彼女の物事を知らないところや無邪気な面をうまく表現できるように演じています。でも、完全に呪いが解けた普通の人間ではなく、悩んだり、いろいろと周りの人に教えてもらったりしながら、今はまだ、いろいろなことを知っていく過程の状態なので、そういった悩みや葛藤がうまく出せるように演じられたらいいなと思っています」

喜多村英梨「錐霞役の喜多村英梨です。錐霞は学校のクラス委員長というポジションで、見た目どおりの堅実かつ真面目な子です。本当に委員長らしい人なので、彼女を演じる際は、そういった頑なにも近いような固さというものを意識しながら、いろいろな人に接するようにしています。友達として砕けるようなところでも、彼女の真面目さが出てくるのですが、ちょっと女の子らしいところやお色気、コミカルなシーンにも錐霞は関わってくるキャラクターなので、自分が積み立てた真面目さをあえて崩すことで、女の子らしいところを盛り上げられるよう、そのギャップをスピーディーな作品の中で明確に色分けできるようなお芝居をしたいと思います」

――『C3-シーキューブ-』という作品の第一印象はいかがでしたか?

茅原「キャラクターがたくさん出てくるのですが、そのひとりひとりのキャラクターがすごく可愛いです。でも、その可愛いさにも関わらず、その外見と内面に大きなギャップがあるところに惹かれました。すごく魅力的な作品だと思います」

「最初に感じた雰囲気と、その後のストーリー展開とのギャップがすごくて、一話と二話ではもう別の作品なのではないかと思うぐらいでした。色々な面で魅力のある作品なのではないかと思いました」

田村「すごくたくさんのキャラクターが出てくるのですが、それぞれのキャラクターたちが抱えている思いが、すごく切ない感じになっています。なので、そのあたりがすごく魅力的だなと思いました」

喜多村「単純に"呪い"というワードだったり、"呪われた道具"だったり、キャラクターそれぞれが持つ"呪いの能力"的なものにいろいろな種類があって、フィアちゃんの設定をみたときは、本当にすごいなって思いました。自分が演じるキャラクターに関しても、性格だったり、生い立ちだったりに加えて、さらにその魅力となるような"呪い"というものがあり、それらがうまくミックスされて、ひとつのエンタテインメントとして形成されている作品なんだなと思いました」

大沼心監督「自分の場合、表現するという立場から原作を読ませていただいたのですが、多様な方向性がある中から、どこに着地点を持っていこうか? たとえばお色気であり、バイオレンスであり、そういった尖った部分が多い作品でしたので、それをどのように自分的に消化して、表現していこうかというところで、悩みながらも、楽しく読ませていただきました」

――結局のところ、着地点はどの方向に持っていく感じでしょうか?

大沼「基本的にヒューマンドラマとして描いていきたいという部分が強いですね。フィアを見守る周りの人間、やはりフィアが一番求めているものは家族であり、友人であり、人間関係ではないかと思っておりまして、その部分を吸収しながら、どのようにフィアが独り立ちしていくか? そういった部分を描ければいいなと思って、製作しております」

フィア

夜知春亮

村正このは

上野錐霞

――第一話を見た感想や、序盤での印象深いセリフやシーン、見どころなどがありましたら教えてください

茅原「一話を観させていただいて、作品全体の空気感がすごく美しいなと思いました。何かほろっと涙が出てしまうような瞬間があったりして、フィアちゃんを通してすごくピュアになれる、そんな全体の空気感がすごく素敵だなと思いました」

「すごくお洒落な作品だなと思いました。カメラワークと言いますか、視点がコロコロと切り替わるので、とてもスピーディーに表現されているなと思います。今後、シリアスなシーンも増え、バトルシーンなども入ってくるわけですが、それらがどのような形で表現されるのか? どんなお洒落な演出、テンポで進んでいくのか? 僕自身も楽しみにしています。見どころは監督もおっしゃっていましたが、ヒューマンドラマだと思います。春亮には、自分の中で葛藤しながらもフィアに想いを伝えていくというシーンがところどころにあるのですが、自分が演じているということもあって、そこはやはり見てくださると嬉しいポイントです。」

田村「見どころはやはり人と人との関わり合いだと思います。今ここにいる私たち、わりといい人グループとされている主人公グループの4人もそうですが、敵として登場する、序盤だとピーヴィーさんやマミーメーカーさんとの関係性だったり、それぞれが抱えているものだったりが、先に進んで行けば行くほど魅力的になっていくので、ぜひぜひ敵として出てくる人たちも注目していただけたらいいなと思います」

喜多村「作品の中で印象的なのが明暗のテンポ感ですね。明るくコミカルだったり、ほんわかまったりとしていたシーンの次カットに、息を潜めてしまうような思わせぶりなシーンがあったりします。私が演じるキャラクターはよくちょっと謎の、独りよがり顔というか、しゅっとした瞬間の表情を見せることが多いのですが、それはやはり一視聴者として見ていると、あっという間にいろいろな出来事があって、その中できっと問題提起がされていて、30分が終わっちゃったんだな、次はどうなっていくんだろう、早くこの伏線を回収したいな、そういったいろいろな気持ちにさせられる作品だと思いました。キャラクターの存在がそうさせているところもあると思いますし、監督を含めた原作の力だとも思います。そういう意味で、すごく面白いです」

大沼監督「自分的にはすべてにおいて見どころを作っているつもりです。キャストさんの演技であり、音楽であり、お色気、そしてバイオレンスな絵、そういった部分すべてにおいて、細かく皆さんで頑張って作りこんでいただいてるので、細かい部分まで全部を観ていただきたいですね。作品の隅々に、感情の機微や細かい部分での前振りなどをしていますので、そういった部分の動きというのものを拾っていただけると自分としては嬉しいです」

――オープニング/エンディングテーマについてはいかがですか?

田村「オンエアでフィアちゃんが踊りながら歌っているのを観て、『ああ、すごい』と思いました(笑)。すごい可愛く歌って踊っていたので、まずそれが嬉しかったです。フィアちゃんが本当の自分になりたいと思う部分がこの物語の中では大きいなと思ったので、歌詞の内容はそこの部分が中心になるように書いていただきました。曲自体はオープニングらしく、疾走感のある感じで作っていただいています」

喜多村「本当に早く2話が見たいんです。なぜならば、どんな絵が付くのかが非常に楽しみなので(笑)※。この作品は、息もつかせないような、テンポ感の良い、バイオレンスだったり、バトルが中心の作品という印象があったので、そういった躍動感あふれる作品のエンディングを飾れるということで、曲を通して、少しほっとできるような時間を提供できたらいいなという思いでレコーディングをさせていただきました。なので、聴いていただく人が安らげたらいいなという思いで、ニュアンスや歌声についても、あまり強く、凛としずぎないようなアプローチで録りました。なので、聴いていただいた皆さんが何か優しさや温かさにようなものを感じとっていただけたらいいなと、今はただただ思っております」

※第1話は田村が歌うOPテーマがEDテーマとなり、喜多村の歌うEDテーマは放送されなかったため

大沼監督「自分は曲を聴いて感じたイメージから映像を組み立てていくのですが、オープニングテーマを聴いたときには、春というか、始まりの季節という印象があったので、ますはそこからスタートしています。いわゆるキャラクター全員が出てきて武器を投げるみたいな、そういうのはとにかく避けたいというのがあったので、それなら、それに変わる何かしらの動きがあるモノということで、今回の映像になっています。踊りについては、ずっと曲を聴きながら、たぶんフィアを通して田村さんをイメージして描かせていただいていて、ヒロインとしての3人が、可愛らしくというのも変ですが、印象深く描ければいいなと思って作りました。エンディングのほうは、しっとりと深くという感じで、じっくりとしたイメージで映像を描いております」

――最後にファンの方へのメッセージをお願いします

茅原「一話から物語の展開がすごく激しいので、一話も見逃さずに観ていただきたいなと思います。そして、それぞれのキャラクターがいろいろな迷いや葛藤を抱えながら頑張って前に進んでいく姿に、観てくださった方が元気になってくれたり、観てくださった方の力になれたりしたらいいなと思います。このはちゃんを頑張って演じていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」

「どんどん新しいキャラクターが出てきます。進めば進むほどたくさんの登場人物が出てきて、その一人一人がしっかりと描かれています。いろいろな楽しみ方ができる作品だと思いますので、ぜひご覧ください」

田村「回を重ねるごとに、新しいキャラクターがドンドン登場してきますので、最初からいる我々も負けないように、頑張っていこうと思っています。皆さんもぜひ応援してください」

喜多村「前に進むのみで、頑張っております。3人が言ったことを私も同じように思っておりますので、私は錐霞を通して精一杯やらせていただきたいと思います。あと、曲のほうでも、前半と後半で違った世界を、田村さんと彩れるということなので、そちらのほうもあわせてお楽しみいただければいいなと思っております、よろしくお願いします」

大沼監督「話が進んでいくうちに危険球、まあビーンボールですね、ビーンボールをお客さんに投げることが多々あると思うのですが、最後まで観てよかったと思える形にしたいと思っていますので、多少の危険球では逃げずに、最後まで観ていただけるとありがたいです」

――ありがとうございました


TVアニメ『C3-シーキューブ-』は、チバテレビ、TOKYO MX、tvk、テレ玉、サンテレビ、KBS京都、テレビ愛知、BS11、AT-Xにて放送中。放送時間などの詳細は公式サイトなどをチェックしてほしい。

■TVアニメ『C3-シーキューブ-』おもなスタッフ
原案 / 水瀬葉月 (電撃文庫 / アスキー・メディアワークス刊)◆キャラクター原案 / さそりがため◆監督 / 大沼心◆シリーズ構成・脚本 / 横手美智子◆キャラクターデザイン / 大島美和◆アクションディレクター / 斉藤良成◆音響監督 / 亀山俊樹◆音響制作 / grooove◆音楽 / 市川淳◆音楽制作 / スターチャイルドレコード◆アニメーション制作 / SILVER LINK.◆前期オープニング主題歌 / 田村ゆかり「Endless Story」◆前期エンディング主題歌 / 喜多村英梨「雪華 (はな)」

■TVアニメ『C3-シーキューブ-』おもなキャスト
フィア / 田村ゆかり◆夜知春亮 / 梶裕貴◆村正このは / 茅原実里◆上野錐霞 / 喜多村英梨◆サヴェレンティ / 斎藤千和◆桜参白穂 / 井口裕香◆人形原黒絵 / 小倉唯◆伯途泰造 / 寺島拓篤◆実耶麻 渦奈 / 阿澄佳奈◆ピーヴィー・バロヲイ / 大原さやか◆マミーメーカー / MAKO
(C)水瀬葉月/アスキー・メディアワークス/C3製作委員会