映画『ステキな金縛り』が29日、初日を迎え、都内で行われた舞台あいさつに、キャストの深津絵里、西田敏行、阿部寛、竹内結子、中井貴一、KAN、木下隆行(TKO)と三谷幸喜監督が出席した。

前列左から、中井貴一、深津絵里、西田敏行、阿部寛、後列左から、三谷幸喜監督、KAN、竹内結子、木下隆行(TKO) 拡大画像を見る

映画『ステキな金縛り』は、法廷を舞台にしたファンタジー・コメディー。三流弁護士のエミ(深津)は、資産家の妻(竹内)殺しの容疑で捕まった男(KAN)の弁護をするが、アリバイを証明できるのは、一晩中彼の上にのし掛かっていた落ち武者の幽霊・六兵衛(西田)だけ。幽霊が証言台に立つという前代見聞の裁判の行方は?――というストーリーで、浅野忠信や草なぎ剛、佐藤浩市ら豪華キャストも共演しており、三谷監督の"生誕50周年感謝祭"の集大成となる作品。

深津は「自分の目で、公開に立ち会えて嬉しい。もし、気に入ったらもう1回くらい観に来て下さい。六兵衛さんにまた会いに来て!」とPR。西田は「今朝、車で都心に向かってたら反対車線は大渋滞。天気がいいから紅葉を観に行くのかな。皆さんはわざわざ都心に来て、しかも有料で……ありがとう! 我々が大好きな人達です」と感謝の言葉を寄せた。一切の超常現象を信じないカタブツ検事・小佐野役の中井は「三谷さんとは同い年で俳優を30年やっていますが、この年になって見えない犬(幽霊)を相手に芝居をするとは……まだまだ精進してまいります」と自虐的に話すと観客は大笑い。三谷監督が「撮影は、中井さんが見えない犬とじゃれ合うという痛々しいシーンから始まって……まあ、僕がやらせたんですけど。中井さんのためにもヒットさせなきゃなと思いました」と話し、会場を沸かせていた。

映画の公開までに、TKOの木下がまだ消えていないかどうか心配だった言う三谷監督は、先日開かれたニューヨークでのプレミア上映について、「僕と深津さんはジョークも交えながら英語でスピーチしてウケてたけど、木下さんは途中真っ白になっちゃってね。今日はリベンジするみたいだから」と無茶ぶり。木下は「えーっ!? まじすか」と言いながらもスピーチを披露したが、微妙な空気になった会場に「何で、ニューヨークでも滑って、こっちでも滑らなあかんの?」とがっくりしていた。一方、仙台の試写会に参加した西田は、「笑ってるのを見て、皆さんの復興のモチベーションが上がったと感じました」と感慨深げだった。