高度な知能を持つ類人猿たちが人間を支配下に置くという革新的な設定と衝撃のラストで1968年に大ヒットした映画『猿の惑星』。そのすべての謎を解く新作『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』がついに10月7日、日本でも公開される。

ジェームズ・フランコ(写真右)
1978年4月19日生まれ。アメリカ、カリフォルニア州パロアルト出身。UCLA在学中に演技に目覚め、1999年の『25年目のキス』で映画デビュー。映画『スパイダーマン』シリーズで主人公の親友ハリーを演じ、世界規模の知名度を手にする。今年は映画『127時間』の演技でアカデミー賞候補となった上に、授賞式の司会も務めた 拡大画像を見る

映画『猿の惑星』の公開時、大いに話題を呼んだのは、類人猿を演じる俳優たちに施された特殊メイクの精巧さ。特殊メイクを担当したジョン・チェンバースは第二次世界大戦で顔面を負傷した軍人たちの顔を修復する技術を役立て、米国アカデミー賞特別賞を獲得。後にメイクアップ部門が設立されるきっかけとなったのは有名な話だ。

40年以上を経て製作されたその原点の物語では、俳優の微細表情や動きを完璧に取り込んでCG映像化する最先端のモーション・キャプチャー技術を採用。映画『アバター』よりさらに進化した技術を用いて、モーション・キャプチャー史上初の野外撮影も敢行。類人猿たちのシワや毛並みまで再現したリアルな映像と臨場感あふれるアクション・シーンの融合に成功している。先に公開された米国では、興行成績ランキングで2週連続No.1を獲得。早くも続編の噂が流れるほど、再びブームを起こした。

筆者は全米公開前の8月、主人公の科学者を演じるジェームズ・フランコをインタビューした。場所は、『猿の惑星』シリーズにおいて重要な意味を持ち、彼の自宅もあるアメリカ、ニューヨーク。彼はリラックスした表情で質問に答えてくれた。

フランコ「また『猿の惑星』を作ると聞いた時は、正直言って疑問に感じたよ。過去のシリーズで、すべてやり尽くした気がしてね。でも脚本を読み、ルパート・ワイアット監督に会って、この映画は新しい視点を持っていると分かった。『猿の惑星』の伝統に忠実でありながら、これまでにないほど現実的な観点でアプローチされているんだ。新薬の動物実験によって、チンパンジーが異常に賢くなっていく物語には信憑性がある。過去のシリーズにおいて、人間よりも賢い猿やその惑星が存在するというコンセプトを観客に信じ込ませるのは難しかった。しかも『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』には感情移入出来る親子のドラマもある。だから僕は魅力を感じたんだ」……続きを読む