浪川大輔が語るTVアニメ『レベルE』
――どうして王子(のコスプレ)をしようと思ったんですか?
浪川大輔「王子になりたかったんです。王子になってみたかったんです」
――王子になっての今の気分は?
浪川「あんまりコスプレってやったことないんです。今回1人なのでドキドキします。すごく怖いです。でも、プロの人に(コスプレのセットを)やってもらうとちょっと癖になりそうな・……。アニメの1話で王子が同じ格好をしているので見比べてみてください。34歳、頑張っています(笑)」
――完成映像を観ての感想を
浪川「収録時からフルカラーでやらせていただいて、ある程度の想像はついていたのですが、栗山千明さんやViViDさんの主題歌が加わったり、途中の効果が入ったりすると厚みが増すというか、いい意味で地味な作品だと思うんですけど、それが映えているというか。1話を観ると盛りだくさんで、これからどうなるんだろうという不思議な感覚になる作品です。本当に『レベルE』っぽい変なアニメになっています」
――今アニメ化というのはびっくりしませんでしたか?
浪川「僕は『レベルE』という作品が『え? 今?』というより、どう王子をやればいいんだろうというのが大きかった。役者さんの中にもコアなファンが多くて、逆に『今やるの?』って言われる方が多かったです。僕としては、十数年前の古さが一回りして新鮮に感じますね」
――王子姿を見られて、役者さんになんて言われそうですか?
浪川「まずは『何やっているの?』って。……心境変わったんですかね、高校生を演じるときはできないのですが、王子ってちょっと変わっているから、そういう意味ではとっつきやすい部分はありましたね」
――役者の心境を変えるすごい部分が『レベルE』にはあるのでしょうか
浪川「(王子姿になってみたいと言ったときの)心境は、楽しくしたいというのが大前提ですが、王子のことを分かってみたかった。分からないんですよ、彼。本当。せめて勉強するのに筆箱から揃えるみたいな。そういう意味で形から入ろうと思ったんです」
――役を演じるにあたって気をつけているところ、魅力を感じているところは?
浪川「王子は、何が魅力なのか分からないのが魅力。演じるほうにするとそれがすごく難しくて、何を考えているのか分からないように演じようというところを気をつけていました。クラフトがよく言う『斜め上をいく』というか、話していても目と目が合っていないような雰囲気で会話できればと思いました。王子はほとんど計算ができていて、できていないところもできているように、途中で公式を変えて自分のテリトリーに持っていくタイプだと思うので、その辺を気にしながら演じていました」
――「目と目が合っていないような雰囲気」というのは、クラフトから罵倒されつつ、それに反応しないというのも?
浪川「反応していても、暖簾に腕押しというかイライラするみたいな(笑)。怒っているのに、相手にしたら『お前聞いているよね?』って、なんかムカつく方向に行きたいなと」
――子安さんの罵倒はいかがでしたか?
浪川「あれぞプロですよね! 子安さんすごかったです、すごくデカイ声で、マイクがかわいそうでした。もはや危ういです。危険な香りがするくらい」
――作品の魅力と見どころを教えてください
浪川「『レベルE』は独特の世界観なんですけど、癖になるところが魅力のひとつだと思いますし、実写とか他のドラマではできない特有のものを飛びぬけて持っていて、突き抜けたところも魅力です。一方で、諸刃の剣でもあるなって感じています。それがいいのか悪いのかは見ている人の判断にお任せするしかないんですけど、原作よりアニメの方が入りやすくなっていると思います」
――アニメはたくさんありますが、特別な作品ですか?
浪川「ジャンルがまずないですよね。異色SF連作集って言われていて、その時点でジャンル分けができないというのが新しい。作品は14年前なのですが。また、これまでに築き上げてきたアニメの良さがうまく融合されていて、誰でも楽しめるエンタテインメント作品になっています」
――お客さんの反応は気になりますか?
浪川「なりますよ、もちろん。特に原作を知っている方は王子の声って低いのか高いのかとか、どういう声なんだろうという、やっぱり漫画を読むときは皆イメージしてそれぞれ読んでいるので、それを(アニメで) 観てもらうというのは相当なプレッシャーですが、作品としていい出来になっていると思いますので、自信を持ってお薦めしたいと思います」
――ご自身にキャラクターが似ている部分は全くありませんか?
浪川「子安さんとかすごく言うんです。浪川君だと思ってオーディション受けていたとか。でも彼氏や弟だったら嫌じゃないですか!? 青い血だし(笑)。少しでも似るために今日この場があるんだろうと思っています」
――ファンの方へのメッセージをお願いします。
浪川「いろんな方から楽しみにしていますという声をいただいておりまして、ものすごく不安と緊張とプレッシャーとあったんですが、景気よく1年を始められる作品になっていると思います。何も考えずに笑っていただいて、今年1年間乗り切っていただければなと思います。大人が本気になっているという感じがすごくする作品ですので、年齢幅も男女問わずいろんな方に見ていただきたい作品です。第二期は決してありませんから! 原作3巻しかありませんし!! カラーレンジャーでは僕もいろいろやらせていただいたので。ストーリーがオリジナルというのはほとんどないのですが、要素としてオリジナルな部分もありますので、是非楽しみにしてほしいなと思います」
――ありがとうございました
TVアニメ『レベルE』放送スケジュール
放送局 | 放送開始日 | 放送時間 |
---|---|---|
テレビ東京 | 2011年1月10日 (月) | 毎週月曜日 深夜1時30分~ ※1月10日のみ深夜1時45分~ |
テレビ愛知 | 2011年1月12日 (水) | 毎週水曜日 深夜1時58分~ |
テレビ大阪 | 2011年1月14日 (金) | 毎週金曜日 深夜2時35分~ |
■TVアニメ『レベルE』おもなスタッフ
原作 / 冨樫義博「レベルE」(集英社「ジャンプコミックス」刊)◆監督 / 加藤敏幸◆シリーズ構成 / 花田十輝◆キャラクターデザイン・総作画監督 / 竹田逸子◆ビジュアルコンセプト・3Dディレクター / ソエジマヤスフミ◆異星人文明デザイン / 小林武人◆プロップデザイン / 中原れい◆美術設定 / 青木薫◆美術監督 / 小濱俊裕◆色彩設計 / 北沢希実子◆撮影監督 / 石黒晴嗣◆3Dモデリング / 平将人、小林武人◆編集 / 廣瀬清志◆音楽 / 梁邦彦◆音響監督 / 高桑一◆音響効果 / 北方将実◆録音調整 / 山口貴之◆録音助手 / 川口珠代◆音響制作担当 / 立石弥生◆音響制作 / 神南スタジオ◆録音スタジオ / 神南スタジオ◆プロデューサー / 奈良初男 (テレビ東京)、萩野賢、梶田浩司◆アニメーションプロデューサー / 若松剛◆アニメーション制作 / ぴえろ×david production◆製作 / テレビ東京、ぴえろ
■TVアニメ『レベルE』おもなキャスト
王子 / 浪川大輔◆クラフト / 子安武人◆筒井雪隆 / 細谷佳正◆江戸川美歩 / 明坂聡美◆サド / 高塚正也◆コリン / 朝比奈拓見◆ナレーション / 立木文彦
原作/冨樫義博「レベルE」(集英社「ジャンプコミックス」刊) (C)Yoshihiro Togashi 1995年-1997年 (C)ぴえろ・テレビ東京 / 集英社 |