【今日のCFD】英国FTSE100株価指数

クリスマスの振替休みで来週27・28日と休場になるロンドン株式市場。マクロ的視点からは、欧州に襲来している大寒波が及ぼす国内外のビジネスへの影響の他、水曜日に発表された2010年第3四半期GDPが2.7%(前年比)、経済収支が-96億ポンドといずれも予想値を下回ったことで、休日前の英国市場に対する投資家のムードに冷や水をかける流れになるかと思われた。

しかし、セクターをまたがり活発な企業のM&Aや、クリスマス需要で売上増が見込まれる小売セクターへの買い、更には米Microsoft(MSFT.O)が英マイクロプロセッサメーカーARM Holding(ARM.L)のプロセッサ対応Windowsを発表すると報じられたことにより、昨日の英国FTSE100株価指数は一時心理的節目6000ポイントへと到達している。

本日は週末のクリスマス前夜ということもあり薄商いが予想される状況だけに、マクロ面では米中経済の動向を中心に、ミクロ面では引き続き各構成銘柄(特に資源株は構成銘柄のほぼ5分の一を占める)に関するニュースに注意を払っておきたい。

例えば直近では、リオ・ティント(RIO.L)と豪鉱山リバーズデール・マイニング(RIV.AX)とのM&A関連の報道や、英国の国立臨床研究所(NICE)がGlaxoSmithKline PLC(GSK.LN) の腎臓癌治療薬Votrientの使用を国営医療サービス(NHS:National Health Service)へ推奨するとした報道があった。

前者に関してはグローバルでの資源獲得競争が激しくなっており、リオ・ティントに対抗し新たな買収案が提示されるとの憶測が流れており、資源株全体を動かす可能性がある。一方、後者のNICEに関しては、医療が国営である英国で、国営医療機関が使用する薬や検査の費用対効果の検証を行う機関で、包括的にみてコスト効率のよい薬を推奨する動きを取っており、この報道は現在Pfizer Inc.(PFZ.LSE)のライバル腎臓癌治療薬Sutentとの戦いにしのぎを削っているGlaxoSmithKlineにとって、非常にポジティブな意味合いを含む。

6000ポイントに到達したことで高値警戒感も指摘されている中、これらセクター別での材料が売り圧力を相殺しボックス相場のムードが強まるシナリオも考えられる。

チャート上でもそのような展開になる可能性を示唆している。

心理的ライン6000に到達したことで利益確定売り優勢の展開となり、トレンドチャンネルの下限をブレイクしたことから、本日は上値の重い展開となる可能性は確かにある。しかし、その後は更に下下値を試すこともなく千鳥足ムードが漂っていることから、下落幅も限られるのではないか。

よって本日は5980-6000を中心レンジと考えたい。目先の下値ポイントは5986(6001-5933の23.60%戻し)。ボックス圏内にある唯一のサポートポイントとして注目したい。昨日の欧州タイムでは、このポイントが意識され6000ポイントへ反転している。

このレベルをブレイクした場合は、ボックスの下限の5980が浮上する。22日から23日にかけて次第にこのレベルで下支えされる時間が長くなっていることに注目し下限と想定しているが、破られてもすぐ下には5976(6001-5933の38.20%戻し)もある。この2つのポイントがサポートゾーンを形成すれば、市場では押し目買いを狙ってくる可能性もあろう。 なお、スローストキャスティックとRSIでトレンドを探るとほぼニュートラル(14:37時点)。ただ、前者のスローストキャスティックをみると売りトレンドが継続する可能性があることを示唆しており、上述したサポートポイントでの攻防にやはり注目が集まる展開となるか。

英国FTSE100株価指数 1時間足

英国FTSE100株価指数 1時間足 スローストキャスティック&RSI