松村 本書はMac Fanに掲載された記事を元にしています。記事づくりは、私が本田さんのところに伺ったり、本田さんが海外にいるときには「iChat」で話し合ったり。本書ではその内容を6つのロジックにまとめて、時間術、コミュニケーション術、セルフメディア術、情報収集術、アウトプット術、プレゼンテーション術について解説しています。

では、ここからはそれぞれのロジックについて解説していこうと思うのですが、まずは時間術についてはいかがでしょうか。

本田 先ほども時間を投資するという話をしましたが、誰もが多くの仕事を抱えて忙しいわけです。そうした状況では、時間の使い方がものすごく重要になります。

松村 先ほどタッチタイピングの話になりましたが、10文字を10秒で入力するか、3秒で入力するかの違いですよね。この7秒差は将来的には大きな差になるということですよね。

本田 そういうことです。時間術でもうひとつ大事なのはスキマ時間をどう使うか。これを上手く活用できるかがキーポイントになります。以前はスキマ時間を活用するために、紙の資料をプリントアウトするなど手間がかかって大変でしたが、iPhoneが登場してから、どこにいてもスキマ時間を有効活用できるようになりました。ただ、スキマ時間の使い方を知らないと、iPhoneが単なる携帯電話になってしまう。

松村 そうですね。自分でスキマ時間をどのようにデザインするのかで、iPhoneに入れておくアプリも変わってきます。その準備がすごく重要になりますね。ちなみに、iPhoneを買ったときに入っているカレンダー機能だけでも、相当に時間を有効活用できると思うんですけど。

本田 僕はMacをiPhoneのカレンダー機能と連携させて、常にやならなければならないタスクを見られるようにしている。たとえば、今日やらなければいけないものや、誰と会うのかなどを入れているんです。僕にとってMacはオフィスの役割を果たしていて、iPhoneは秘書の役割になっている。極論を言えば、リアルなオフィスも秘書もどちらもいらない。

コミュニケーションの基礎は"コントリビューション"

松村 次にコミュニケーション術についてですが。

本田 デジタルだけに限った考え方ではありませんが、コミュニケーションにおいて重要なのは"コントリビューション(寄与)"だと思っています。

僕にとっては本を書くこともコミュニケーションのひとつなのですが、自分の知識をもとに、よいものを作ろうと考えるのではなく、誰の役に立つのかを考えていく"コントリビューション"が大切だと思っています。15年前、アメリカのビジネススクールに通って思いついた考え方ですね。

アメリカのビジネススクールでは、授業で発言しないと評価されないんです。発言しない人は情報だけを持って行ってしまうダメな人とみなされてしまうんですよね。何かを付加して、コントリビューションをしていくという、そうした発想をアメリカで学んだんですね。コントリビューションをすることで人の役にも立つし、引いてはビジネスの広がりも出てくると思います。

松村 このコミュニケーションですが、本書を作っていくときには、ハワイと日本をiChatでつないで中継して、チームのコミュニケーションを図りましたよね。

本田 iChatはすごかった。無料なうえに仕事でも使える。使ったことがない人は多いと思うんですが、一度だまされたと思って使ってみてください。相手の顔を見ながら会話ができるので、意外と疲れませんし。

海外生活では欠かせないTwitter

松村 続いてセルフメディア術ですが。

本田 実は僕はブログもTwitterもやったことなかったんですね。自分はかっちりしたものより、緩い感じでできたらいいなと。太郎君にいろいろと教えてもらって、今年の4月くらいからTwitterを始めました。

一年の半分はハワイで過ごすので、なかなか皆さんとコミュニケーションをとることができなかったんですが、お互いの近況を伝えたり知ることができるし、やってみてよかったかなと思っています。