三菱商事、近畿車輛、東芝はこのほど、三菱商事を主契約者として、エジプト・アラブ共和国運輸省トンネル公団よりカイロ地下鉄(以下、NAT)向け車両の供給契約を受注した。2012年から2013年にかけて納入される予定。

カイロ地下鉄2号線用増備車両

カイロ地下鉄3号線延伸用車両

今回受注した車両は11編成88両。内訳は、NATが建設中のカイロ地下鉄3号線第2期延伸に伴う追加車両7編成56両と、すでに運行中の2号線用増備車両4編成32両となっている。三菱商事が全体のとりまとめを行い、近畿車輛が車体と台車の製造、東芝が車両向け電機部品の製造を担当するという。この3社にとって、2007年に3号線第1期開業区間用7編成56両に続く連続受注になったとのこと。また、3社はエジプトにおいて過去40年にわたり鉄道車両1400両以上の納入実績があるという。今回の受注では、カイロ現地での車両組み立ても実施される予定。

カイロ地下鉄路線図

エジプトの首都カイロでは、都市部の人口増加に伴う慢性的な交通渋滞が深刻な社会問題という。鉄道のような大量輸送公共交通の整備が急務で、すでに開業した地下鉄1号線(ヘルワン - 都心部 - ニュー・エル・マルグ)と、同2号線(ショブラ・エル・ケイマ - 都心部 - エル・モニブ)の輸送人員は1日あたり250万人で世界有数の規模となっている。3号線はカイロ市西部 - 都心部 - カイロ国際空港を結ぶ路線として建設され、第1期工事区間が2011年10月に開業予定とのこと。また、今後は6号線までの建設計画がある。