iPhoneを使った口座開設に挑戦してみた

前編では、iPhoneを使ったFX取引を紹介した。では、そもそも口座を持っていない方がiPhoneで取引を始めることができるのか。従来はiPhoneだけで、口座開設をするのは難しかったが、いまは簡単にできるようになっている。それはサイバーエージェントFXが、7月1日に、iPhone専用(正確には、iPhone/iPodtouch/iPad)の口座開設フォームをリリースしたからだ。

従来も、iPhoneから口座開設申し込みはできたのだが、パソコン用の申し込み画面と同じ遷移だったため、操作しづらかった。それがiPhone専用のフォームができたことで、口座開設時に必要な確認事項が読みやすくなり、また読むのにかかる時間が短縮された。従来の開設フォームと新フォームを操作し比べたところ、半分くらいの時間で口座申し込みができた。

何より、iPhoneだけで口座開設が完了できるようになったことが大きな進歩だ。新しいフォームではiPhoneのカメラとメールを使って、申し込み後に必要な「本人確認書類の送付」ができる。従来は、本人確認書類を送付するのに、QRコードが使える携帯電話かパソコン、郵送、FAXという方法しかなかった。

本人確認書類をiPhoneメールで送るための操作説明ページも提供されており、これも丁寧でわかりやすい。これにより、サイバーエージェントFXは口座開設の申し込みから取引までを、iPhone/iPodtouch/iPadのみで行うことができるワンストップサービスを実現した。

なお、サイバーエージェントFXの外貨exに口座を既に持っている人であれば、iPhone(Cymo)取引をする場合には、こういった手間すら必要ない。Cymoをダウンロードするだけ、ほんの5分で取引を始められる。iPhoneならではの「サクサク取引感」を一度試してほしい。

タッチパネルはマウスよりも取引しやすい

前編の続きになるが、「新規リーブオーダー」からは、いわゆるシングルリーブオーダー、OCO、IFD、IFOなどの注文を設定可能だ。ただ、そういった注文名のボタンはなく、感覚的に操作する。例えば、シングルリーブオーダーは、取引通貨を選んだ後に数量と、「指値」もしくは「逆指値」を入力すればいい。「指値」と「逆指値」の両方を入力すると、OCO注文になる。

その際に「条件追加」というボタンを押すと、「利食い」と「損切り」のレートを設定できるので、この組み合わせで、IFDやIFOの注文が行うといった具合だ。

基本操作がわかると、「使えるなあ」という印象をまず受ける。パソコンの取引画面と、情報量や見やすさなど、遜色がないように思える。当然、ケータイでの取引画面とは、比較にならない。

実際に取引をしてみると、さらに驚いた。個人的な感想にはなるが、パソコンでの取引よりも使いやすいのだ。タッチパネルと小さな画面、大きな文字の組み合わせで、自分が思った通りに、サクサク取引ができる。取引にせよ、チャートを見るにせよ、やりたいと思ったことを、そのまま直感的に操作できる快適さを感じた。

パソコンの取引サイトよりも、進んだ機能も備えている。ポジションを見ると、損益がリアルタイムで刻々と変わって表示される点などだ。決済のタイミングが図りやすいのはもちろん、ポジションの損益が変わっていく様子を見ているだけでも楽しい。

半面、チャートを見比べてテクニカル分析をする、何十個ものポジションを比較しながら俯瞰的に取引をするという場面には向かないだろう。方針が決まっていて、取引値をみながら、感覚的に取引をする、タイミングを測って決済をするという場合には、パソコン以上にやりやすいと感じた。チャートについても機能が弱いわけではなく、移動平均線やボリンジャーバンドなどの基本的な機能に加え、ストキャスティクスやDMI(ADX)、MACDのような本格的な指標を見ることができる。

外でも、パソコンの隣に置いても便利

Cymoは、思っていた以上の使い方ができる。例えば、パソコンで仕事やネットサーフィンをしながら、隣にCymo(iPhone)を置いておくことで、邪魔にならずに、値動きをみることができる。小さい画面ながら、必要な情報を表示してくれる。プロのディーラーは、モニターを2つ並べて取引しているが、それを簡易にできる感覚だ。

ふと時間が空いた時やちょっと外出した時に、相場をチェックしたり、取引をしたりすることができる。やろうと思えばケータイでもできたのだが、操作性や閲覧性が悪くやる気にならない。見やすく操作しやすいという快適さがあるiPhoneアプリだからこそ、取引環境を持ち運ぶことができるようになったと言えるだろう。