前日のベージュブックの内容に対する警戒感の中、地区連銀総裁のハト派コメントや、ムーディーズの米国債格付け見直しの可能性が市場で話題になり、ドルは重い展開。依然高水準にある新規雇用失業件数や軟調なハイテク決算も重石となり、アメリカ株も軟調な取引で終始。

反面、欧州圏の景況感の改善(ユーロ圏経済信頼感)を受け、ユーロが対ドルで上昇。米系シンクタンクのユーロに対する強気見通しも噂となり、高値では利益確定を吸収しながら1.31台に到達。NZD(ニュージーランドドル)はアジア時間からは反発するも、総裁コメントが嫌気されて、戻りは限定的だった。

・08:30 (日) 6月全国コア消費者物価指数

・08:30 (日) 7月東京都区部コアCPI

・08:30 (日)6月有効求人倍率

・08:30 (日)6月完全失業率

・08:30 (日)6月家計調査

・08:50 (日)6月鉱工業生産 速報

・18:00 (ユーロ圏)7月消費者物価指数 速報値

・18:00 (ユーロ圏)6月失業率

・21:30 (米)第2・四半期雇用コスト指数

・21:30 (米)第2・四半期GDP 速報値

・22:45 (米)7月シカゴ地区購買部協会景気指数

・22:55 (米)7月ミシガン大消費者信頼感指数 確報値

主な企業決算発表予定

■日本

双日、住友化学、三菱地所、住友商事、味の素、武田薬品、野村HD

ホンダ、セイコーエプソン、東京エレクトロン、アサヒビール、みずほFG、三菱UFJ

■海外

Samsung Electronics、 RENAULT S.A.、Chevron

N225チャート

今日のアジア時間は、海外の流れを受け株価はやや軟調の地合いで推移しそうだ。ただ、昨日の好調な本邦企業決算をきっかけに銘柄別では物色の動きがでそう。国内決算は本日、ピークを迎える。これまで大きなネガティブサプライズがなくこなしてきているが、きょうも期待に答える内容となるか。400-500ともいわれる企業の決算がきょう1日に集中していることから、個別の決算から指数への影響が見えてくるのは、来週以降になりそうだが、本邦企業が他の地域とは違い、新規雇用に前向きになれば、面白い展開になってくるが、内容を消化するには時間がかかりそう。

一方、市場ではすでに今夜の米GDPに対して警戒感を持っている。月末や週末要因も重なり、需給絡みの売り買いが交錯。上値が重いなかも、大きな方向性は出にくい展開となるか。

為替市場では、ユーロ圏に対する警戒感が緩む中、アメリカ・オセアニア圏に対する警戒感があるようだ。ここ最近の消費・住宅関連の一般の興味を見る限り、個人消費の数値がどの程度の低下になるかに注目しておきたい。そして、ここ最近のユーロ圏の経済指標においては、ユーロ安という背景があったことを考慮すれば、ファンド筋の買い戻しの展開が見られた地合いがはたして継続されるかどうか。テクニカル的には、去年12月以降の下落で見た38.2%ポイントが1.3125にあり、このポイントをしっかりと上抜けられるかどうかに注目しておきたい。

アジア時間では、AUD(豪ドル)とNZD(ニュージーランドドル)の展開が気になるところ。豪ドルにおいてはバルチック海運指数の反発に加えて、CRB指数もドルインデックスの下落の伴う動きから堅調に推移しており、中国市場が堅調に推移すれば、下値は支えられやすいか。反面、ニュージーランドドルにおいては昨日のRBNZ総裁のコメントに加え、ビジネスセンチメントの低下が重しとなりそうで、豪ドル / ニュージーランドドルの動きが出てきそうで、ややレンジ上限をうかがう展開となるか。

EURチャート